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わんぱく天国

講談社文庫 さ1-28

出版社名 講談社
出版年月 2015年8月
ISBNコード 978-4-06-293186-1
4-06-293186-9
税込価格 693円
頁数・縦 215P 15cm

e-hon夏の100冊 おすすめコメント

こどもが、こどもらしかった頃のこどもしか出てこないお話。大きい子は小さい子をかばい、自分たちで遊びをみつけ、お互いの出来ることと出来ないことを尊重していた頃のお話。そして近づく戦争の影。この時代に夢を見ることの儚さが、物語の最後にさらりと語られる。(2016年7月)

商品内容

要旨

戦争の影がせまる昭和10年代、横須賀にある塚山公園は、最高の遊び場だった。違う地域に住む少年たちは公園をめぐり敵対していたが、めんこ対決を機に仲よくなり、一銭飛行機、しかも「ヒトの乗れる一銭飛行機」を作り始める!子どもの遊びが絵と文で甦り、戦争の真実を語る自伝的名作。

おすすめコメント

戦争の影がせまる昭和10年代、横須賀にある「天国」のような塚山公園は、「按針塚」と呼ばれる、子どもたちの最高の遊び場だった。さくらの明所でもあり、軍港を見下ろす風景も素晴らしい。公園をはさみちょうど逆の地域「柿の谷」と「西吉倉」で、それぞれに住む少年たちは、この「天国」を巡り敵対していた。そしてがき大将を中心とし、その敵対は海洋少年団で学んだ知識を生かした「戦いごっこ」に発展する。しかし盛大なるめんこ対決をきっかけに、「柿の谷」と「西吉倉」は一気に仲間となる。そしてひとつの目的に向かって走り始める。それは、大ブームだった一銭飛行機をみんなでつくること。しかも「ヒトの乗れる一銭飛行機をつくろうぜ!」というものだ。大きな飛行機どころか、人が乗る飛行機? 小学生が作るころができるのか、それは飛ぶのか、誰が乗るのか――? 子どもたちの「遊び」が佐藤さとるの文と村上勉の絵で甦り、リアルな遊びの技術も再現。戦争についても深く考えさせられる自伝的名作。

著者紹介

佐藤 さとる (サトウ サトル)  
1928年、神奈川県生まれ。『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞・国際アンデルセン賞国内賞などを、『おばあさんのひこうき』で児童福祉文化賞・野間児童文芸賞を受賞。日本のファンタジー作家の第一人者で、『天狗童子』(講談社文庫)で赤い鳥文学賞を、2015年には日本児童文芸家協会児童文化功労賞を受賞
村上 勉 (ムラカミ ツトム)  
1943年、兵庫県生まれ。’67年、『おばあさんのひこうき』などで第16回小学館絵画賞を受賞。佐藤さとる氏との絶妙のコンビぶりには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)