書店レビュー
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人間って不思議だ。
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- 長崎書店 (熊本県熊本市中央区)
永遠の命をもつ「少年」は、あらゆる世界、あらゆる時代に現れ、人間を見つめます。
永遠の命を持つ少年にとって、有限の命しか持たない人間はとても不思議で興味深いものです。
死地に赴くソクラテスや、南極探検に失敗し遭難した男など、彼は様々な時代、場所で、岐路に立つ人の前に現れ、人々の生、そして死を見つめてゆきます。
人間を見つめる永遠の存在といえば、「火の鳥」が思い浮かびますが、火の鳥が絶対的真理であるのに対し、この少年は感情を持ち、ときに怒り泣き、人間の世界に積極的に介入していくのです。
2巻に収録されているソクラテスの話が私は好きです。
少年が降り立ったのは紀元前399年のギリシャ。そこにいたのは牢獄の中で処刑を待つソクラテスでした。不当な裁判で処刑を命じられたソクラテス。
そしてそれを受け止め待つソクラテス。
「解せません。あなたが何故処刑されなければならないのか」
ソクラテスは答えます。「自分が知らないということを自ら知り、
あくまでその気持ちに忠実に行動したからだよ」
少年は言いいます。「では知らないということがなくなったら、
全てを知ったらどうなるのか、、試(2010年1月13日)
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出版社・メーカーコメント
終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。19世紀末のロンドンを懸命に生きる身寄りのない少女。生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた一人の青年。それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。そこに1人の少年がいた。永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。