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大江健三郎の「義」

出版社名 講談社
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-06-528444-5
4-06-528444-9
税込価格 2,750円
頁数・縦 317P 20cm

商品内容

文学賞情報

2022年 第74回 読売文学賞 評論・伝記賞受賞

要旨

『大江健三郎全小説』の解説執筆後、「まだ何かが秘められている」と感じながら丹念に読み直すうちに浮上した、謎の痕跡―「ギー兄さん」は柳田国男?島崎藤村『夜明け前』が手本?平田篤胤の「神」が「壊す人」?“西洋文学の申し子”大江健三郎の深淵に広がる日本文学の沃野を読み解き、西洋の知と真摯に格闘した四人の日本人をスリリングに追う、画期的な論考!

目次

第1部 柳田国男の「美しき村」(「ギー兄さん」とは誰か
『同時代ゲーム』から『懐かしい年への手紙』へ
「生まれ替わり」への祈り)
第2部 『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』(時代に殉じた「父」
平田国学と「村=国家=小宇宙」)

出版社・メーカーコメント

謎だらけのポストモダン小説の先駆『同時代ゲーム』はなぜ書かれたのか。自伝的要素の強い『懐かしい年への手紙』に登場するギー兄さん、『燃えあがる緑の木』の新しいギー兄さんは、なぜ「ギー」なのか。大江健三郎の全小説を精読し、柳田国男の影響を確信した著者は、大江と柳田の深い関係を探っていく。しかし、大江の謎は柳田のみならず、『万延元年のフットボール』と島崎藤村『夜明け前』との類似点へと行き着き、いつしか不思議な親和性を持つ文学者のつながりは平田篤胤へと辿りつく。これまで海外文学の影響下において読み解かれてきた大江健三郎文学に、深く根を下ろした日本文学の伝統とは一体何か。大江研究の第一人者が読み解く、知的好奇心に満ちた快著!

著者紹介

尾崎 真理子 (オザキ マリコ)  
1959年宮崎市生まれ。1982年読売新聞社へ入社。1992年から2019年にかけて読売新聞東京本社の文芸担当記者、編集委員。2016年度日本記者クラブ賞受賞。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)