トリストラントとイザルデ
講談社学術文庫 2853
| 出版社名 | 講談社 |
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| 出版年月 | 2025年6月 |
| ISBNコード |
978-4-06-539833-3
(4-06-539833-9) |
| 税込価格 | 1,650円 |
| 頁数・縦 | 332P 15cm |
商品内容
| 要旨 |
ケルト起源のトリスタン伝説は、ウェールズとブルターニュに伝えられ、語り継がれたと推定される。伝承の過程で発展した物語を一二世紀後半に古フランス語でまとめた原典(エストワール)は、しかし散逸した。本書は、その原典に基づいて書かれた作品の中で完全な姿を残す最古のものである。ワーグナーの楽劇に至る伝説の原型を初の文庫版で新訳。 |
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| 目次 |
1 聴衆への前置き |




出版社・メーカーコメント
本書は、ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》で知られる「トリスタン伝説」の最古の姿を伝える書の本邦初となる全訳です。ケルト起源のトリスタン伝説は、11世紀後半から12世紀初頭にウェールズとブルターニュに伝えられ、語り継がれていったと推測されます。多様に発展した物語を12世紀後半に古フランス語でまとめたものがトリスタン伝説の原典(エストワール)ですが、残念ながらこれは散逸しています。しかし、この原典に基づいて物語を作る人たちが現れます。その一人が同じく12世紀後半に活躍したフランスの詩人ベルールでしたが、作品は断片しか残されていません。それと同じ時期、同じ原典に基づいてドイツ語で物語を書いたのがアイルハルトであり、その作品こそ本書にほかなりません。完全な姿で残されたこの作品によって、私たちは原典の内容を推測できます。ここにはトリスタン伝説の最古の姿があるのです。韻文で書かれた本書は、その後「民衆本」と呼ばれる散文作品として流布し、16世紀にはハンス・ザックスによって戯曲『トリストラントと美しきイザルトの悲恋』に翻案されました。一方、ベルールと同様に原典(エストワール)を基にして12世紀後半にフランス語で『トリスタン物語』を書いたトマの系列としては、ドイツ語で叙事詩『トリスタンとイゾルデ』を書いたゴットフリートがおり、ワーグナーに着想を与えました。複雑な経緯をたどって伝承されたトリスタン伝説は、現代でも小説にされたり(ローズマリー・サトクリフ)、映画にされたり(ジャン・ドラノワ)、多くの人を魅了し続けています。その最古の姿がようやく日本語で味わえるようになります。[本書の内容]1 聴衆への前置き2 トリストラントの出生と養育3 トリストラントのマルケ王宮廷への旅4 トリストラントとモーロルトの闘い5 トリストラントの傷を治すためのアイルランドへの旅6 トリストラントのアイルランド求婚の旅7 愛の媚薬8 ブランゲーネ9 トリストラントとイザルデの愛をめぐっての揉め事10 有罪の判決と逃走11 森での生活12 アルトゥース騎士ヴァルヴァーンとトリストラント…ほか