• 本

龍の守る町 The Embers under the Water

出版社名 講談社
出版年月 2025年11月
ISBNコード 978-4-06-540458-4
4-06-540458-4
税込価格 1,980円
頁数・縦 290P 19cm

NetGalley 会員レビュー

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

良い本を読ませて貰った。これまでに読んだ砥上裕將さんの作品に比べて硬質なイメージの主人公だが、その仕事に対する真摯で丁寧な描き方はこれまでと変わらず安心して読める。なす術のない未曾有の災害に見舞われ、生きる気力を失いかけ絶望に苛まれた時、いかにして気力を甦らせればいいのか、そのヒントがこの作品には随所に散りばめられている。ここまでの展開でもかなりの満足度だが、さらに続編があるとのこと。魅力的な登場人物達が今後はどう活躍していくのか。期待が高まってしまう。

図書館関係者

おすすめ度おすすめ度★5

大水害から5年を経て、そこに暮らす人々の日常が、龍朗を通して描かれていました。消防士という仕事が、人の命や様々な危機と隣り合わせである故に、最善を尽くしてもなお助けられなかった命の重みを背負ってしまう辛さや、仕事に向き合う覚悟が伝わってきます。つらいことばかりではなくて、龍朗と子どもたちのやり取りや、職場のお茶の時間の様子にほのぼのしたり、人や時間や物事が確かに繋がっていると感じられるエピソードに胸が熱くなったり、人生の尊さを感じさせられました。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

災害に際し最前線に立つ消防士の姿が描かれるが、とてつもなく凛々しく頼りがいがある反面、人として普通にもつ弱さまでも丁寧に示されており、ある意味深い感動を呼び起こす。それは絶対的な自然の力に対し人がいかに無力であるかと同様に傷つきながらも再生し成長する人の無限の可能性までも証明してくれるかのよう。またいつ発生するか全く予測のたてようがない地震や火事、天気予報などで発生時期が予測され異様な緊張感と恐怖感が増していく水害などと、ある意味全方位的な災害に対し、知識や想いを引き継ぎ託しながら立ち向かう人の構図も示され心強い。再生、復興の難しさを端的に示しながらも、思いを残し託す希望の書。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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商品内容

要旨

魚鷹が見守る町で、秋月龍朗は最高の消防士だった。五年前のあの日、濁流が町と彼の心に、癒えない傷跡を刻むまでは。現場を追われ、辿り着いた指令室。そこは、同じ痛みを抱える仲間たちと、声だけで命を繋ぐ場所。炎の中から命を救ってきたその手で、男は今、受話器を握る。

出版社・メーカーコメント

「線は、僕を描く」、「7.5グラムの奇跡」シリーズの著者、砥上裕將が新たに描く命の物語。水鷹が空を舞う町、瑞乃町。一級河川の瑞乃川が海と繋がるこの場所は古くから川の恵みとともにある。この町で生まれ育った秋月達朗は、町一番の消防士として活躍する日々を送っていた。五年前、未曽有の大水害が町を襲うまではーー。水害による傷みを抱えた秋月は、これ以上現場に立つことが難しくなり、指令室に異動となった。慣れない仕事と新たな仲間たち。それぞれが抱える過去とこの町の未来。誰よりも命を救ってきた秋月は、町と己の再生のため、新たな一歩を踏み出す。

著者紹介

砥上 裕將 (トガミ ヒロマサ)  
1984年生まれ。水墨画家。「線は、僕を描く」で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)