オイディプース王
講談社学術文庫 2914
| 出版社名 | 講談社 |
|---|---|
| 出版年月 | 2026年3月 |
| ISBNコード |
978-4-06-542906-8
(4-06-542906-4) |
| 税込価格 | 1,100円 |
| 頁数・縦 | 164P 15cm |
商品内容
| 要旨 |
詩人ソポクレース(前四九六頃‐前四〇六年)によって前四四一年から前四三二年のあいだにつくられたと考えられるギリシア悲劇の最高傑作。あまりにも有名なこの作品にはすでに数多の日本語訳があるが、岩波書店版全集のために生み出された碩学の名訳が再版されずに残されていた。キケロー『国家について 法律について』に続いて学術文庫に収録。 |
|---|---|
| 目次 |
オイディプース王 |




出版社・メーカーコメント
ギリシア悲劇の最高傑作と評される本作は、詩人ソポクレース(前496頃−前406年頃)によって、前441年から前432年のあいだに書かれたと推定される。フロイトの「エディプス・コンプレクス」をはじめ、後世に多大な影響を及ぼし、今日まで読み継がれてきた本作のあらすじは、よく知られている。−−劇の冒頭、オイディプースはテーバイの王として登場する。かつてスピンクスによるテーバイの危機を救った王は、新たに疫病が国を襲った今、神のごとき救い主として市民たちの嘆願を受け、自信にあふれた姿でこれに対処しようとしている。それは劇の最後で、父を殺し、母と交わって恥ずべき子供をつくったことが判明し、わが手で目をつぶし、みずから呪われた身となる男とはあまりにも対照的な姿である。そして、冒頭の姿がオイディプースの「非・真実」、最後の姿が「真実」であり、詩人は「非・真実」と「真実の対照」を示しているように見える。しかし、冒頭の姿はスピンクスを退治した功績によるものである以上、「非・真実」とは言いきれない。ここにあるのは真実を恐れると同時に真実を求めるオイディプース自身に重なる。訳者は言う。「この劇においてわれわれの心をはげしく揺さぶるのは、真実を恐れて逃げようともがき、かえって真実に引きつけられて破滅するオイディプースの姿である。父を殺し母と交わる定めを告げられたとき、誰がこれを恐れずにいられようか。〔…〕だが真実にたいする恐怖が真実を見失わせるのはオイディプースだけではない。〔…〕われわれの中には暗い未知のものがある。われわれは、自分が何者なのか本当に知っているのか。日常の生活において見せかけ(非・真実)の中で暮らしているのではないか。〔…〕 『オイディプース王』がわれわれの心を揺さぶってやまないとすれば、それはわれわれ自身の中にオイディプースが宿るからにほかならない。」(「訳者解説」より)このあまりも有名な作品には数々の日本語訳があり、文庫版も複数存在している。しかし、1990年に『ギリシア悲劇全集』のために訳し下ろされた名訳が、顧みられないままになっていた。キケロー『国家について 法律について』に続き、碩学が残した貴重な仕事を学術文庫に収録し、後世に継承するべく、ここに刊行する。