広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM
集英社新書 0931
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2018年4月 |
ISBNコード |
978-4-08-721031-6
(4-08-721031-6) |
税込価格 | 792円 |
頁数・縦 | 199P 18cm |
商品内容
要旨 |
憲法改正には、国会で三分の二以上の賛成と、「国民投票」で過半数の賛成が必要だが、二〇〇七年に制定された国民投票法には致命的な欠陥がある。海外の多くの国では原則禁止となっている「広告の規制」がほとんどなく、CMが流し放題となっているのだ。さらに日本の広告業界は、事実上の電通一社寡占状態にあり、その電通は七〇年にわたって自民党と強固に結びついている。これが意味することは何か―?元博報堂社員で広告業界のウラを知り尽くす本間龍と、政策秘書として国民投票法(民主党案)の起草に携わった南部義典が、巨大資本がもたらす「狂乱」をシミュレートし、制度の改善案を提言する。 |
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目次 |
第1章 「国民投票法」とは何か |
出版社・メーカーコメント
広告代理店にとって国民投票は「大儲けのタネ」 ・電通の「テレビ支配」が存在すると言えるこれだけ理由 ・自民党と電通は、日本がアメリカから独立したときからの関係 ・巨額のポケットマネーで自民党を応援しようとした電通社長 ・改憲賛成派が圧倒的有利な、ダミーネームとフロント団体という「裏ワザ」 ・国会決議を無視し続ける「民放連」 「自衛隊員に、誇りと自信を」 「憲法を改正しないと、この国を守れない」 そんなCMが半年間、一方的にテレビで流れ続けるとしたら――? 憲法改正は国民投票で過半数の賛成が必要だが、 現在の国民投票法には致命的な欠陥がある。 海外では多くの国で原則禁止となっている「広告の規制」がほとんどないのだ。 さらに日本のテレビCM市場は、事実上の「電通」一社寡占状態にあり、 その電通が自民党の広告を担当している。 つまり、改憲反対派は“選挙期間”中の「良いテレビCM枠」を確保できず、 改憲賛成派のCMばかり流れる可能性が高い。 元博報堂社員で、原発マネーが原発報道を歪めてきたことを取材する本間龍と、 衆議院議員の政策秘書として国民投票法(民主党案)の起草を サポートした南部義典による緊急対談!
内容抜粋
【目次】 第 1 章 「国民投票法」とはなにか 憲法論議がタブーだった戦後日本 / なぜ広告規制がないのか / 代理店にとってオイシイ話だらけの国民投票 第 2 章 巨人「電通」が支配する 広告業界のメカニズム そもそも代理店とは / 「電通支配」が存在すると言える理由 / 電通は自民党を裏切らない 第 3 章 改憲プロパガンダが一方的に流れる 「テレビCM」 改憲賛成派の圧倒的有利をもたらす「スタートダッシュ」 / 改憲反対派に気取られない「ダミー名義」 / 反対派が博報堂に相手にされない可能性 / フロント団体を受け皿にするという「裏ワザ」 / 賛成派のCMだけ安く提供される? / ゴリ押しに抵抗できないテレビ局「審査部」 / 「忖度」の影響は番組内容にも 第 4 章 地方ローカル局での「局地戦」と ネットで起きる「ゲリラ戦」 値段も安く、審査も緩いローカルCM / ローカル局にとって、電通は「永遠の父であり母」 / 「電通に足を向けては寝られない」 / 広告だと悟らせないネット広告 第 5 章 CM全面禁止が基本の、 「海外の国民投票法」 ナチスへの反省から、国民投票制度がないドイツ / イギリスの制度 「CM全面禁止」と「運動資金の厳格な管理」、各派の「代表チーム」に与えられる特権 第 6 章 国民投票法をどう変えるか 国会の決議を無視し続ける「民放連」 / 本間私案「CM全面禁止」「資金の規制、会計の透明化」 / 南部私案「個人・団体の登録」「バジェットキャップ」 / 「条件付きCM可のA案」「CM全面禁止のB案」 / ファクトチェック機関が必要だ 【著者略歴】 本間 龍(ほんま りゅう) 1962年生まれ。著述家。 1989年に博報堂に入社。2006年に退社するまで、一貫して営業を担当。 博報堂時代の経験から、原発安全神話を作った広告を調査し、原発推進勢力とメディアの癒着を追及する。 南部 義典(なんぶ よしのり) 1971年生まれ。シンクタンク「国民投票広報機構」代表。 2005年、民主党議員の政策秘書として国民投票法の立案に関わり、以後も研究を続ける。慶應大学大学院法学研究科講師(非常勤)を歴任。