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デクノボーになりたい 私の宮沢賢治

出版社名 小学館
出版年月 2005年3月
ISBNコード 978-4-09-387542-4
4-09-387542-1
税込価格 1,760円
頁数・縦 222P 20cm

商品内容

要旨

「風の詩人」の生き方に学ぶ。悠久の風土で紡がれた宮沢賢治の実像。

目次

第1章 賢治の悲しみ―風と言葉と
第2章 「デクノボー」とは何か
第3章 「坊つちやん」と「デクノボー」
第4章 現代人をして戦慄せしめよ
第5章 共鳴する詩人の魂―宮沢賢治と中原中也
第6章 エロスの昇華とメルヘンの誕生

出版社
商品紹介

賢治は現代の根源的不安である人間であることの不安に苦しみ、苦悩の末に到達したのが自然人として生きるデクノボーの世界であった。

出版社・メーカーコメント

夏目漱石は近代人のエゴイズムに対する不安に苦しんだが、宮沢賢治は人間であることの不安に苦しんだ。それはまさに現代人の根源的不安である。人間は動植物を支配し、その生殺与奪をほしいままにしてきた。一方、利権や民族、宗教をめぐる対立による殺戮とテロの応酬が果てしなく続く。賢治は21世紀を予見していたかのように、人間世界の修羅と仏性の葛藤に苦しんだ。そして到達したのが、万物に平等の生命を認め、すべての動植物と共生共死の関係に生きるデクノボーの世界であった。それは、風や宇宙から豊かな霊性を感受する自然人の生き方でもあった。本書は新たなる「賢治像」であるとともに、現代人がいかに生きるべきかを示唆するものである。

著者紹介

山折 哲雄 (ヤマオリ テツオ)  
国際日本文化研究センター所長。1931年サンフランシスコに生まれ、実家のある岩手県花巻市で育つ。東北大学文学部を卒業し、東北大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、京都造形芸術大学院長などを経て、現職。主な著書に『愛欲の精神史』(小学館・和辻哲郎文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)