• 本

現代人は救われ得るか 平成の思想と文芸

出版社名 新潮社
出版年月 2010年6月
ISBNコード 978-4-10-390913-2
4-10-390913-7
税込価格 2,420円
頁数・縦 426P 20cm

商品内容

要旨

暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか―江藤淳『成熟と喪失』から四十三年、今、我々は新たな時代精神の出現を目撃する。昭和天皇大喪の礼から『1Q84』まで、平成の現実リアリティ感覚を根底から問う批評の冒険。

目次

第1章 平成年間ははじまったのか(平成の時代精神
もし野村秋介と中上健次が生きていれば
オウム真理教の絶対他力
阪神大震災が顕わにした国家の実相
地震で破壊された故郷に立つ村上春樹)
第2章 「子供」という存在への問い(舞城王太郎は子供の世界にとどまる
写生文的時間の拒否―佐藤友哉
情報処理のプロセスとしての「現在」―保坂和志
「無責任」という使命―島田雅彦
一緒にコンビニに行く親子―長嶋有)
第3章 「仏界」と「魔界」の現在形(平成の川端康成―堀江敏幸
日常のなかのデュオニソス空間―川上弘美
「ごっこ」の世界は終らない―江國香織)
終章 現代人は救われ得るか(『1Q84』世界の絶対善と悪)

出版社
商品紹介

「暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか」。昭和天皇大喪の礼から『1Q84』まで、平成年間の現実感覚(リアリティ)を根底から問う批評の冒険。

おすすめコメント

大喪の礼から『1Q84』まで、平成の現実感覚を根底から問う批評の冒険!《暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか》――野村秋介の自決、阪神大震災、オウム真理教事件……平成年間では、細心と優しさが容易に無差別大量死に転じる。文学者たちはこの恐るべき空虚な日本とどう闘ってきたか? 江藤淳『成熟と喪失』から四十三年、今、我々は新たな時代精神の出現を目撃する。

著者紹介

福田 和也 (フクダ カズヤ)  
1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部教授。89年、ナチス・ドイツ占領下のフランスのコラボラトゥール(対独協力)文学についての研究『奇妙な廃墟』(国書刊行会・ちくま学芸文庫)でデビュー。93年、新潮社刊『日本の家郷』で三島由紀夫賞を受賞。以後、『甘美な人生』(ちくま学芸文庫)で平林たい子文学賞、『地ひらく』(文春文庫)で山本七平賞、『悪女の美食術』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)