• 本

クマグスの森 南方熊楠の見た宇宙

とんぼの本

出版社名 新潮社
出版年月 2007年11月
ISBNコード 978-4-10-602165-7
4-10-602165-X
税込価格 1,650円
頁数・縦 127P 21cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 森を愛する異能の人

    博物学者・生物学者・民俗学者として知られる南方熊楠。本書は、熊楠の遺した膨大な資料を、本人の写真と共に紹介する。ノート・日記・標本・アルコール漬けの瓶など、熊楠の活動の跡がしっかりと残され、この世のあらゆるものに興味を示していたことがよくわかる。12、3歳の頃に書き写した博物学書など、見事としかいいようがない。表紙写真の熊楠は、冬の山中、腰巻一枚でカメラをにらむ。神社合祀反対運動において、一歩も引かぬ、その決意の表れのような表情。独自の視点を切り開いていった熊楠。我々を惹きつける魅力の一端を、垣間見ることができる一冊だ。

    (2007年12月17日)

商品内容

要旨

冬の山中、腰巻一丁で煙草をふかす。この怪しげな男こそ、紀州和歌山が生んだ先駆的エコロジスト、南方熊楠(一八六七‐一九四一)。和歌山県田辺市近郊の林の中で撮影された熊楠42歳の姿である。博物学者として、また生物学者、民俗学者として広く知られる熊楠にとって、研究対象は粘菌、キノコ、藻、昆虫から男色、刺青、性、夢まで、この世あの世のすべて。世界を放浪、原生林を駈け巡り、果て無き大宇宙の謎を追い、森羅万象の本質に迫るため、生涯その目で見たままを詳細に記述しまくった。本書は、奇才が遺した膨大で不思議な資料を大公開。その頭脳と心の森に踏み込み、最新の研究に基づく熊楠像を紹介する。

目次

1 海外から那智、田辺へ(博物学への関心
海外への眼
アメリカ ほか)
2 森の生命の世界へ(粘菌
きのこ
藻類、地衣類 ほか)
3 内的宇宙へ(病の自覚
夢への関心
身体への関心 ほか)
クマグスの熊野へ行こう

出版社
商品紹介

果て無き大宇宙の謎を追い、世界を放浪、原生林を駈け巡った先駆的エコロジストの、頭脳と心の森へ分け入ろう。

おすすめコメント

研究対象は粘菌、キノコから男色、刺青まで森羅万象。果て無き大宇宙の謎を追い、世界を放浪、原生林を駈け巡った先駆的エコロジストの、頭脳と心の森へ分け入ろう!

著者紹介

松居 竜五 (マツイ リュウゴ)  
1964年、京都府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。学術修士。東京大学教養学部留学生担当講師、ケンブリッジ大学客員研究員、駿河台大学助教授を経て、龍谷大学国際文化学部准教授、南方熊楠顕彰会理事、日本国際文化学会常任理事、熊楠関西研究会事務局(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)