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大嘗祭 天皇制と日本文化の源流

中公新書 2462

出版社名 中央公論新社
出版年月 2017年11月
ISBNコード 978-4-12-102462-6
4-12-102462-1
税込価格 1,012円
頁数・縦 315P 18cm

商品内容

要旨

新天皇が、即位後に行う大嘗祭。「秘すべきことがはなはだ多い」とされ、謎が多い。その内容は、豊穣祈願、聖婚儀礼など様々に解釈されてきた。著者は、国家祭祀として姿を現した天武朝から、古墳時代、弥生・縄文時代へと遡って考察し、同時に広くアジアの民俗資料を収集。そのルーツが長江以南地域の古い稲作儀礼にあり、女性原理が濃厚な原初の日本文化と融合したとする。現在に至る日本的心性の基層が、浮かび上がる。

目次

第1章 大嘗祭をめぐる基礎知識
第2章 大宝律令に見る天皇祭祀の基本構造
第3章 大嘗殿でなにが行なわれるのか
第4章 神話の中のニイナメ
第5章 男王たちとニイナメ
第6章 卑弥呼の巫政の体系から神祇令祭祀へ
第7章 ニイナメの語源を探る
第8章 稲収穫儀礼から天皇位継承儀礼へ
終章 日本的心性の深層
付章 大嘗祭と現代

おすすめコメント

代替わりした天皇が即位後の秋に1回だけ行う大嘗祭。「秘すべきことがはなはだ多い」とされ、謎に包まれたその儀式は、古来、豊穣祈願、聖婚儀礼など、さまざまに解釈されてきた。著者は大嘗祭が確立した天武朝、さらに古墳時代、弥生時代へとその起源を遡って考察。そのルーツが稲作儀礼にあり、原初段階の日本文化が女性原理に満ちたものであることを明らかにした。現在に至る日本的心性の基層が浮かび上がる。

著者紹介

工藤 隆 (クドウ タカシ)  
1942年、栃木県生まれ。東京大学経済学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。大東文化大学文学部日本文学科教員を経て、同大学名誉教授。専攻、日本古代文学。1995年4月~96年3月、中国雲南省雲南民族学院・雲南省民族研究所客員研究員。主著に『歌垣の世界』(勉誠出版、2015、第33回志田延義賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)