• 本

貨幣が語るローマ帝国史 権力と図像の千年

中公新書 2508

出版社名 中央公論新社
出版年月 2018年9月
ISBNコード 978-4-12-102508-1
4-12-102508-3
税込価格 902円
頁数・縦 234P 18cm

商品内容

要旨

古代ローマでは、発掘されただけでも数万種類にのぼる貨幣が存在した。貨幣は一般に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占する。だが、ローマでは政界に登場したばかりの若手や地方の有力者も発行していた。神話の神々、カエサルや皇帝たちの肖像、ヤギや北斗七星など描かれた図像も多岐にわたるが、彼らは貨幣を用いて何をアピールしようとしたのか。全時代を網羅した精選130点以上を収録。図像と銘文から読み解く、新しい古代ローマ史入門。

目次

第1章 ギリシアの貨幣からローマの貨幣へ―国家のアイデンティティと国威の発揚(ギリシアにおける貨幣利用の始まり
ローマにおける貨幣の利用)
第2章 多様な図像の登場―共和政から帝政へ(自己宣伝を行う貨幣の登場
讃えられる強者たち)
第3章 皇帝たちによる貨幣―帝位継承の正当化(ローマ皇帝の本質―ユリウス・クラウディウス朝
帝位継承の実態―フラウィウス朝と五賢帝期
混乱期の帝位継承―後期ローマ帝国
皇帝「家」と経済)
第4章 属州の貨幣―「小さな政府」としてのローマ(自発的な服従―ローマの支配の実態
ローマへの文化的な接近)
第5章 古代を受け継ぐもの―貨幣からみるキリスト教(神格化された者たち
キリスト教と地中海世界の変化)

おすすめコメント

貨幣は一般的に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占するが、古代ローマでは様相が異なる。政界に登場したばかりの若手や地方の有力者らも発行しており、現在までに発掘されたものだけでも数千種類にのぼる。ローマ神話の神々の肖像、カエサルや皇帝たちの肖像、花びらや儀式の道具など、描かれた図像も多岐にわたる。貨幣の図像と刻まれた銘文から一千年の歴史を読み解いた、新しい古代ローマ史入門。

著者紹介

比佐 篤 (ヒサ アツシ)  
1972年(昭和47年)、東京都葛飾区に生まれる。関西大学文学部史学・地理学科卒業。関西大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、関西大学非常勤講師。専攻、古代ローマ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)