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日本のコメ問題 5つの転換点と迫りくる最大の危機

中公新書 2701

出版社名 中央公論新社
出版年月 2022年6月
ISBNコード 978-4-12-102701-6
4-12-102701-9
税込価格 1,210円
頁数・縦 297P 18cm

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要旨

日本人の「主食」とされるコメをめぐっては、これまでさまざまな議論がなされてきた。とくに近年では、農村の高齢化や後継者不足の一方で、コメの作りすぎ(コメ余り)による米価下落が問題となり、農政がその対応に追われてきた。だが問題はコメそのものではなく「田んぼ」にあるという指摘が出てきている。本書では、この半世紀で変化してきた日本人とコメの関係を、4つの転換点を指摘しながら整理。そして、「田んぼ余り」が直近の課題であるとして詳細に論じている。さらに、近い将来「第五の転換点」がやってくると指摘し、それへの対応についても提言する。「第五の転換点」とは、日本国内の「実際の農地面積」が、「食料安全保障上、必要な農地面積」を上回るようになる時点を指し、そこで出現する余った農地をいかに活用するかが、問われるのだという。著者は、農政調査委員会専門調査員、東京農工大学非常勤講師、恵泉女学園大学非常勤講師。専門社会調査士。専攻は、農業経済学、農政学、人間科学。著書に『現代日本農業論考』(春風社)、『水稲の飼料利用の展開構造』(日本評論社)などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年8月9日]

商品内容

要旨

稲作伝来以来、日本人はコメ不足に悩まされてきた。1967年、ついに自給自足を達成する。だが、そこに喜びはなかった。直ちに到来したコメ余り時代と減反の開始、ヤミ米の拡大と食管制度の崩壊、ウルグアイ・ラウンドで生まれた国際秩序への対応、水田フル活用政策の誕生と混乱…。本書は半世紀で大変貌を遂げた日本人とコメの関係を、転換点ごとに整理。そして、残された未解決問題がもたらす最大の危機に警鐘を鳴らす。

目次

第1章 コメと田んぼに分けるとみえてくるコメ問題の今
第2章 コメに満たされた日本人―第一の転換点・一九六七年
第3章 コメ余り問題から田んぼ余り問題へ―第二の転換点・一九七八年
第4章 コメ問題の国際化―第三の転換点・一九九三年
第5章 水田フル活用という思想の誕生―第四の転換点・二〇〇八年
第6章 現代のコメ問題の根底
第7章 農地が余る時代の到来―第五の転換点・二〇五二年

出版社・メーカーコメント

有史以前から日本人はコメ不足に悩まされてきた。1967年、ついに米の自給自足を達成する。だが、そこに喜びはなかった。直ちに到来したコメ余り時代と減反の開始、ヤミ米の拡大と食管制度の崩壊、ウルグアイ・ラウンドで生まれた国際秩序への対応、そして「水田フル活用」という思想の提唱……半世紀で大変貌を遂げた日本人とコメの関係、残された未解決問題、そして忍び寄る最大の危機とは?

著者紹介

小川 真如 (オガワ マサユキ)  
1986年(昭和61年)、島根県に生まれる。2009年、東京農工大学農学部生物生産学科卒業。同大学大学院農学府共生持続社会学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。現在、農政調査委員会専門調査員、東京農工大学非常勤講師、恵泉女学園大学非常勤講師など。専門社会調査士、修士(農学)、博士(人間科学)。専攻・農業経済学、農政学、人間科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)