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「スパコン富岳」後の日本 科学技術立国は復活できるか

中公新書ラクレ 723

出版社名 中央公論新社
出版年月 2021年3月
ISBNコード 978-4-12-150723-5
4-12-150723-1
税込価格 924円
頁数・縦 221P 18cm

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要旨

2020年6月、スーパーコンピュータの計算速度などを競う世界ランキングで、日本の「富岳」が首位に輝いた。国産スパコンとしては、2011年11月に「京」が第1位になって以来、8年半ぶりの快挙だ。この富岳の成果は、日本のハイテク産業が低迷から抜け出し「復活」の兆しを示すものと見られているようだ。本書では、富岳の開発責任者や最前線の研究者、注目AI企業への取材などをもとに、富岳にも使われた半導体技術を主とする「電子立国・日本」が世界で再び脚光を浴び、日本経済が上向きになる可能性を検証している。GAFAをはじめとする巨大IT企業は、AIの機械学習やビッグデータ解析に要求される高性能な半導体チップの独自開発を進めるなど、ソフトウェアからハードウェアに軸足を移しつつある。それゆえ、伝統的に高い技術力を誇る日本のハイテク産業にチャンスがあるのだという。著者はKDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などを経て現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年4月20日]

商品内容

要旨

世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナウイルス対応で注目の的だが、真の実力は如何に?「電子立国・日本」は復活するのか?新技術はどんな未来社会をもたらすのか?莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか?開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。

目次

第1章 富岳(Fugaku)世界No.1の衝撃(富岳のAI処理能力で、GAFAも追い越せる―松岡聡(理化学研究所・計算科学研究センターセンター長)
スパコン開発に必須な「技術への投資感覚」―清水俊幸(富士通・プラットフォーム開発本部プリンシパルエンジニア))
第2章 AI半導体とハイテク・ジャパン復活の好機(富岳の「使いやすさ」は米中スパコンを圧倒―性能ランキング「TOP500」創始者に訊く―ジャック・ドンガラ(テネシー大学・計算機科学科特別栄誉教授)
逆転の発想から生まれた注目AI企業の自主開発スパコン―土井裕介(Preferred Networks・執行役員計算基盤担当VP))
第3章 富岳をどう活用して成果を出すか―新型コロナ対策、がんゲノム医療、宇宙シミュレーション(コロナ治療薬の候補を富岳で特定―創薬シミュレーションの実力―奥野恭史(京都大学大学院・医学研究科ビッグデータ医科学分野教授)
がん患者の命を救う全ゲノム解析とAI―富岳で劇的スピードアップ―宮野悟(東京医科歯科大学・M&Dデータ科学センターセンター長)
富岳を使えば銀河形成の過程を忠実に再現できる―牧野淳一郎(神戸大学大学院・理学研究科教授))
第4章 米中ハイテク覇権争いと日本―エクサ・スケールをめぐる熾烈な国際競争
第5章 ネクスト・ステージ:量子コンピュータ 日本の実力

出版社・メーカーコメント

世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナ対応で注目の的だが、真の実力は如何に? 「電子立国・日本」は復活するのか? 新技術はどんな未来社会をもたらすのか? 莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか? 開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。

著者紹介

小林 雅一 (コバヤシ マサカズ)  
KDDI総合研究所リサーチフェロー。1963年群馬県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などを経て現職。情報セキュリティ大学院大学客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)