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千の扉

中公文庫 し54-1

出版社名 中央公論新社
出版年月 2020年10月
ISBNコード 978-4-12-206975-6
4-12-206975-0
税込価格 858円
頁数・縦 317P 16cm

商品内容

要旨

築四十年、三千戸を超す都営住宅の一室で、夫・一俊とともに、暮らし始めた千歳。その部屋の主である一俊の祖父に頼まれ、千歳は「高橋さん」という人物を探し始めるが…。存在も定かでない「高橋さん」を探すうち、ここで暮らす人々の記憶と、戦後から七十年間の土地の記憶がゆるやかに繙かれていく。

出版社・メーカーコメント

夫・一俊と共に都営団地に住み始めた永尾千歳、39歳。一俊からは会って4回目でプロポーズされ、なぜ結婚したいと思ったのか、相手の気持ちも、自分の気持ちも、はっきりとしない。二人が住むのは、一俊の祖父・日野勝男が借りている部屋だ。勝男は骨折して入院、千歳に人探しを頼む。いるのかいないのか分からない男を探して、巨大な団地の中を千歳はさまよい歩く。はたして尋ね人は見つかるのか、そして千歳と一俊、二人の距離は縮まるのか……。三千戸もの都営団地を舞台に、四十五年間ここに住む勝男、その娘の圭子、一俊、友人の中村直人・枝里きょうだい、団地内にある喫茶店「カトレア」を営むあゆみ、千歳が団地で知り合った女子中学生・メイ。それぞれの登場人物の記憶と、土地の記憶が交錯する。

著者紹介

柴崎 友香 (シバサキ トモカ)  
1973年、大阪府生まれ。99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」でデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年『春の庭』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)