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新・敬語論 なぜ「乱れる」のか

NHK出版新書 508

出版社名 NHK出版
出版年月 2017年1月
ISBNコード 978-4-14-088508-6
4-14-088508-4
税込価格 858円
頁数・縦 237P 18cm

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要旨

日本語の敬語は、人間関係、とくに上下関係を円滑にするものとして発展してきた。近年は「~でよろしかったでしょうか」など「誤用」とされる敬語が、教養のなさを表すものとして苦言を呈されたり、嘲りの対象になったりもする。本書の著者は、敬語は時代とともに変化するものであり、成長過程で必要に応じて身につけていくものだとして、人間関係に支障をきたすものでなければ殊更にあげつらうことはないとしている。本書では、文化庁が毎年行う『国語に関する世論調査』をはじめとする複数の調査結果をもとに、敬語とそれに対する世代ごとの見方の違い、敬語の身につけ方などについて所見を述べている。敬語は上下関係によって使い分けるものから、その場の相手への配慮のために使うものに変化しているという。著者は東京外国語大学名誉教授で、社会言語学、方言学を専門としている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2016年2月07日]

商品内容

要旨

「それでは、会議を終了させていただきます」「この電車にはご乗車できません」―「敬語」は今、社会構造や人間関係の変化を反映し、さらに各地の方言も柔軟にとり入れながら、上下関係を表すのではなく配慮し合う言葉に変わりつつある。また、一人の人間が使うことばは生涯変化し続けることも調査で明らかになった。日本語の懐の深さと柔軟さが存分にわかる一冊。

目次

第1部 敬語の「乱れ」から見える変化(敬語の大事さと難しさ
尊敬語を使いすぎる傾向
謙譲語の使いにくさ
丁寧語の細分化
「いただく」の広がり
マニュアル敬語の経済効率)
第2部 成人後に使いこなす敬語(敬語の成人後採用
長く話すベテラン層―岡崎の文の長さ増大
丁寧に話すベテラン層―岡崎の丁寧さ増大
敬語分類の再編
敬語の「乱れ」は変化の先駆け)

おすすめコメント

「敬語」は今、社会構造や人間関係の変化を反映し、さらに各地の方言も柔軟にとり入れながら、配慮し合う言葉に変わりつつある。進化し続ける日本語の懐の広さと柔軟さ、奥深さがわかる一冊。

著者紹介

井上 史雄 (イノウエ フミオ)  
1942年山形県生まれ。東京外国語大学名誉教授。1971年、東京大学大学院言語学博士課程修了。専門は社会言語学、方言学。1987年、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。NHK放送用語委員、国立国語研究所客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)