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日本庭園をめぐる デジタル・アーカイヴの可能性

ハヤカワ新書 008

出版社名 早川書房
出版年月 2023年7月
ISBNコード 978-4-15-340008-5
4-15-340008-4
税込価格 1,056円
頁数・縦 232P 18cm

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要旨

書籍や美術品、資料、遺構など、様々な分野でデジタル・アーカイヴ(対象をデータ化し電子媒体に保存すること)が進んでいる。オリジナルの寿命を超えて保存でき、広くそのデータを活用できることが主な利点だが、それ以上の可能性を拓きつつあるのが「日本庭園」のデジタル・アーカイヴだ。本書では、2019年から、著者が山口情報芸術センター(YCAM)のメンバーとともに行った「庭園アーカイヴ・プロジェクト」の活動の様子を、そのコンセプトと、3Dスキャンや定点撮影などの制作プロセスとともに紹介。日本庭園の持つ「変化する」「何事にも用いられずにいる」といった豊かな特徴を、アーカイヴにいかに落とし込むかといった試行錯誤が語られている。なおこのプロジェクトの成果はウェブサイト「Incomplete Niwa Archives 終らない庭のアーカイヴ」で公開されている。著者は静岡大学人文社会科学部・地域創造学環専任講師。一般社団法人hO理事。専門は日本の庭園、能、狂言。著書に『洲浜論』(作品社、2023年)などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年9月5日]

商品内容

要旨

「はっきり言って、不可能への挑戦である。日本庭園は、刻一刻と変化してゆく。そのような動き続ける庭園を、どのようにアーカイヴ化するのか」。四季に応じてその姿を変え、一日のうちでも都度異なる表情を見せる日本庭園。生命が生まれる場であり、多様な要素で構成される日本庭園を、現代のテクノロジーを駆使してアーカイヴすることは可能か。またそれによってどのような諸相が新たに明らかになるか。日本文化研究の新鋭が論じる、日本の庭の本質とその新たな姿。

目次

第1章 日本庭園という「舞台」と「上演」(無数の日本庭園を捉えるにあたって
日本庭園史概略(日本庭園の源流・飛鳥時代、奈良時代・平安時代、鎌倉時代・南北朝時代・室町時代・安土桃山時代、江戸時代―集大成としての池泉回遊式庭園、近代)/日本庭園の基本コンセプト
日本庭園という「舞台」と「上演」(石、海の表象、洲浜、中島、「しま」、山、植物、建築、天体の運行、気象現象、音) ほか)
第2章 日本庭園の新しいアーカイヴへの挑戦―「Incomplete Niwa Archives終らない庭のアーカイヴ」(動態としての日本庭園をどう捉えるか
山口情報芸術センター(YCAM)と庭
日本の「公園」の歴史のリサーチ ほか)
第3章 日本庭園とそのアーカイヴの歴史と未来(日本庭園のアーカイヴの不可能性
日本庭園とそのメディア
日本庭園と絵画 ほか)

出版社・メーカーコメント

光と影がうつろい、鳥がささやく。刻一刻と変化する日本庭園をアーカイヴすることは可能か−−日本庭園を総合的に知覚するために。日本文化研究の新鋭が、現代のテクノロジーを駆使して日本庭園の知られざる側面を明らかにするとともに、その新たな姿を描く。

著者紹介

原 瑠璃彦 (ハラ ルリヒコ)  
1988年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。静岡大学人文社会科学部・地域創造学環専任講師。一般社団法人hO理事。専門は日本の庭園、能・狂言(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)