• 本

巨船ベラス・レトラス

出版社名 文藝春秋
出版年月 2007年3月
ISBNコード 978-4-16-325690-0
4-16-325690-3
税込価格 1,257円
頁数・縦 208P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 読者の質の良し悪しを越えて…「巨船ベラス・レトラス」

    若い読者は筒井康隆のことを「時をかける少女」などのジュビナイルSF映画の原作者、あるいは俳優くらいに思っている人もいるかもしれないけど、実は何を隠そう、名を隠そう文学界の大家なのであった。 筒井康隆の新刊「巨船ベラス・レトラス」は危機に瀕する文学界・出版界、作家・編集者、あるいは読者の質にまで触れる超問題作。 ネットの時代は作家もそうだけど、読者もこのレビューのように読み手の良し悪しを越えて自由に発信できて、発信者に力があったりすれば売れ行きさえも左右するかもしれない。これはなかなか恐ろしいことでもありますね。 でも読者の質に触れるのはすごいです。アンタッチャブルな領域です。愛読者としてはたまりません、怖くて。

    (2007年7月4日)

商品内容

要旨

売れさえすれば作者を潰したっていいというのか。人間を使い捨てにする企業の論理か。そんな若いやつの小説、受賞した時だけその受賞した本が売れるだけのことじゃねえか。今の状況がなんでも正しいというんなら、なんでもうすぐ世界が滅びるってことを認めて、それを書かないんだ。それが現在の文学者のやるべきことじゃないのかい。現代日本文学の状況を鋭く衝く戦慄の問題作。

出版社
商品紹介

出版不況、文学の衰退……。この船のさだめは、海の底へ導かれているのか。『大いなる助走』から30年。鬼才のおそるべき文学作品。

おすすめコメント

この本を読む者はすべて「巨船」に暮らしている。出版不況、文学の衰退……。この船のさだめは、海の底へ導かれているのか。「大いなる助走」から三十年。鬼才のおそるべき文学作品です。 

著者コメント

この本を読む者はすべて「巨船」に暮らしている。出版不況、文学の衰退……。この船のさだめは、海の底へ導かれているのか。「大いなる助走」から三十年。鬼才のおそるべき文学作品です。 

著者紹介

筒井 康隆 (ツツイ ヤスタカ)  
1934年、大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業。1960年、SF同人誌「NULL」を主宰、発刊、短篇の「お助け」が江戸川乱歩に認められ、作家活動を始める。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞受賞。1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞受賞。1989年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞受賞。1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞受賞。1997年、仏政府よりシュバリエ章受章。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞受賞。2002年、紫綬褒章受章。映画、演劇、テレビドラマへの出演などでも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)