• 本

Xと云う患者 龍之介幻想

出版社名 文藝春秋
出版年月 2019年3月
ISBNコード 978-4-16-391001-7
4-16-391001-8
税込価格 2,640円
頁数・縦 367P 20cm

商品内容

要旨

小説家、芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、己が生み出した虚構の分身と邂逅し、キリストと信仰の物語に心を囚われ、漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人―キリスト。私のキリスト。イギリスの鬼才が芥川文学をコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、精妙に美しい日本語に移し替えた決定的翻訳。文学的にして音響的、イギリス文学であり日本文学であり、近代文学と現代文学を越境する野心作。

おすすめコメント

柴田元幸氏推薦。イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。

著者紹介

ピース,デイヴィッド (ピース,デイヴィッド)   Peace,David
1967年、イギリス生まれ。作家。1994年に日本に移り住み、仕事のかたわら執筆した『1974ジョーカー』で作家デビュー。『TOKYO YEAR ZERO』でドイツ・ミステリ大賞、GB84でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞。2011年より、東京大学文学部で教鞭を執る
黒原 敏行 (クロハラ トシユキ)  
1957(昭和32)年、和歌山県生まれ。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)