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GB84 上

出版社名 文藝春秋
出版年月 2025年8月
ISBNコード 978-4-16-392004-7
4-16-392004-8
税込価格 3,190円
頁数・縦 366P 19cm
シリーズ名 GB84

商品内容

要旨

グレート・ブリテン、84年。大英帝国は内戦の瀬戸際にあった。ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞受賞の傑作。1984年。サッチャー首相率いるイギリス政府は一方的に炭鉱の閉鎖を決定した。これにより失職する労働者は2万人。これは宣戦布告だった。炭鉱労働者の組合NUMのトップ、アーサー・スカーギルは告げた―我らの生活を守るため、ストライキを実行せよと。だがストライキは収入の途絶を意味する。困窮する労働者たちのために、組合の中枢にいるテリー・ウィンターズは奔走する。だがウィンターズには秘密があった。彼は同志を裏切っていたのだ。ニール・フォンテインは始末屋だ。サッチャーの意を受けてストを潰すために暗躍する〈ユダヤ人〉の腹心だ。ニールは権力者たちの密談に耳を傾け、権力と手を組んで、労働者たちを潰してゆく。〈修理工〉ことデイヴィッド・ジョンソンは雇われの暴力者だ。だがお偉方の腰巾着どもが卑劣な手段で彼を脅し、スト潰しの汚れ仕事を強制する。そして政治と警察と労働運動の策謀が衝突し、軋みを上げる中、ストライキに身を捧げる労働者たちは困窮してゆく―。盗聴器がカチ・カチと音を立て、警官たちがガチャ・ガチャと装備を鳴らし、労働者たちを追いつめる。棍棒を振り下ろす。国家が監視し、脅迫し、暴力をふるい、叛乱の芽を踏みにじる。現代犯罪文学の旗手デイヴィッド・ピースが国家の暴力を描き尽くす大作。

著者紹介

ピース,デイヴィッド (ピース,デイヴィッド)   Peace,David
1967年、イギリス生まれ。1994年に日本に移り住み、仕事のかたわら執筆した『1974 ジョーカー』で作家デビュー。『TOKYO YEAR ZERO』でドイツ・ミステリ大賞、本書『GB84』でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞
黒原 敏行 (クロハラ トシユキ)  
1957(昭和32)年、和歌山県生まれ。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)