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ネジと人工衛星 世界一の工場町を歩く

文春新書 877

出版社名 文藝春秋
出版年月 2012年9月
ISBNコード 978-4-16-660877-5
4-16-660877-0
税込価格 847円
頁数・縦 221P 18cm

商品内容

要旨

工場密度日本一の町・東大阪市高井田では、ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線・航空機の部品、小型人工衛星まで多彩な製品が産み出されている。不況、大手メーカーの海外移転、アジア勢の猛追…。数々の苦境を乗り越えながら「モノ作りニッポン」の原点を守る人々を描く。

目次

第1章 信用。(スプリング製造 竹山保さん・一成さん―ええもん納めて金もらうのが日本人のお金の儲け方や。
精密部品、金型等の金属表面処理 水野晃さん・理志さん―僕らの世界でミリっていうのは、みなさんのメートルぐらいの感覚です。
金属加工、試作品・単品・小ロットの製造 奥村義久さん―「あんたんとこ過剰品質や」言う人いてますよね。
ネジ製造―注文は数やなくて、キロ単位。何個あるかはわからんわけです。)
第2章 技術。(金型肉盛り、修理 川勝親さん―10年に1回しか使わんような材料も置いてます。
機械部品製造、アルミダイキャスト等の鋳造 谷村佳昭さん・和彦さん―ただ図面どおり作ってるんじゃ使えないんです。
金型製造 大垣貴嗣さん―うちのような商売がなかったらロケットも作られへんやろうし。)
第3章 矜持。(鋼球、プラスチック球製造 佐藤和彦さん―最終的には検査は人間の目でしか無理なんですよ。
銅合金鋳造 上田富雄さん―材料も僕は1軒からしか買いません。
鉄道用電車金具製造 濱谷和也さん―中国には、こちらから積極的に技術支援しています。
航空機機体部加工、金型・設備装置設計製造 青木理さん―うちの名前が知られたのは、人工衛星「まいど1号」の件ですね。
スプリング製造、販売全般 笠井潔さん・洋子さん―うちしか出来ないから高くいただきますってことは通用しないですね。
リサイクル用粉砕器・破壊機の製造販売 鈴木雅之さん―うちは「もったいない」の老舗、世の中が後からついてきたんです。)

おすすめコメント

可住地面積当たりの工場密度が日本一の東大阪市は、製品出荷額が1兆2898億円にのぼります。なかでも多くの中小企業が集まる高井田地域では、ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線、航空機、人工衛星の部品まで多岐にわたる製品が生まれています。不況、後継者難、大手メーカーの海外移転、中国や東南アジア勢の猛追……。様々な困難を乗り越えながら頑張る13社を訪ね歩きました。より良い製品を作ることで信頼を得る。モノに自信があるから客に媚びない――。ここには「モノ作りニッポン」の原点があります。

著者紹介

塩野 米松 (シオノ ヨネマツ)  
1947年、秋田県角館生れ。東京理科大卒。聞き書きの名手で、失われゆく伝統文化・技術の記録に精力的に取り組んでいる。2003年『なつのいけ』で日本絵本賞大賞受賞。同年、それまでの作家活動を讃え、国際天文学連合より小惑星11987にYONEMATSUの名が授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)