• 本

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊

文春新書 1091

出版社名 文藝春秋
出版年月 2016年7月
ISBNコード 978-4-16-661091-4
4-16-661091-0
税込価格 880円
頁数・縦 249P 18cm

書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍

要旨

2030年頃には、人間と同等に自ら判断してさまざまな知的作業をこなせる「汎用人工知能(AI)」が開発されるといわれている。今でも「AIに仕事を奪われる」ことを危惧する人が多いが、汎用AIの登場後、2045年頃までには、いよいよそれに現実的に対処する必要にせまられる可能性が高い。雇用や社会保障をはじめ、現在の社会構造や経済を大きく変革せざるを得なくなりそうだ。本書では、その変革の一つとして「ベーシックインカム(BI)」の導入を提案している。AIとBIによって人々を「生活のための労働」から解放し、より豊かな社会をめざす。本書では、AIの進化とそれによって社会がどう変わるかを概観しつつ、BI導入による「有用性」にとらわれない価値観への転換の可能性を探っている。著者は駒澤大学経済学部講師で、マクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論を専門とする。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2016年12月20日]

商品内容

要旨

あらゆる人々が遊んで暮せるユートピアか?一部の人々だけが豊かになるディストピアか?AIの発達でほとんどの人が仕事を失う近未来を、気鋭の経済学者が大胆に予測する。

目次

第1章 人類vs.機械(ホーキング博士の憂鬱
「ターミネーター」は現実化するのか? ほか)
第2章 人工知能はどのように進化するか?(第五世代コンピュータの失敗
確率・統計的なアプローチ ほか)
第3章 イノベーション・経済成長・技術的失業(日本は衰退する運命にあるのか?
果実は食べ尽くされたか? ほか)
第4章 第二の大分岐―第四次産業革命後の経済(第四次産業革命をめぐる覇権争い
汎用AIは社会にどのように導入されていくか? ほか)
第5章 なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?(生活保護は労働者を救うか?
ソ連型社会主義は復活するか? ほか)

おすすめコメント

【AIが発達すると人口の9割の失業状態に!? そのとき経済はどうなる?】 人工知能(AI)が目覚しい発展を遂げています。小説を書いたり、囲碁をしたり、ツイッターでヒトラーを肯定する発言をして、日々ニュースを賑わせています。また、AIを搭載したロボットも活躍しています。pepperは感情を読み取ることが出来ますし、ダヴィンチは外科手術をこなしますし、iPhoneに搭載されているSiriは道案内もしてくれます。このまま技術開発が進んでいくとどうなるのか……? 著者は、2030年には、人間並みの知性を持ったAIが登場する可能性があると指摘します。ホワイトカラー事務職は真っ先に職を奪われます。医者も弁護士も失業の危機に瀕しています。最大で人口の9割が失業する可能性もあると筆者は推計しています。一部の資本家以外の労働者は飢えて死ぬしかないのでしょうか? AIによって奪われた労働は、BIで補完しよう! それが筆者の提言です。BIとはベーシックインカムのこと。社会保障をBIに一元化して、子供から大人まで一律で約7万円/月を支給するという仕組みにしようというのです。AIの未来、資本主義の未来、労働の未来、社会保障の未来まで、気鋭の経済学者が語りつくします!

著者紹介

井上 智洋 (イノウエ トモヒロ)  
駒澤大学経済学部講師。慶應義塾大学環境情報学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2015年4月から現職。博士(経済学)。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論、人工知能と経済学の関係を研究するパイオニアとして、学会での発表や政府の研究会などで幅広く発言。AI社会論研究会の共同発起人をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)