• 本

台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

文春新書 1434

出版社名 文藝春秋
出版年月 2023年11月
ISBNコード 978-4-16-661434-9
4-16-661434-7
税込価格 1,210円
頁数・縦 261P 18cm

商品内容

要旨

台湾のアイデンティティは、中国との「距離感」によって時代ごとに大きく揺れ動いてきた。第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配、その下での反体制運動と政府当局による弾圧―民主化以前の台湾をめぐる政治的争点をはじめとする歴史の結び目を紐解きながら、「人」を起点に描き出す台湾現代史。

目次

第1章 多様性を尊重する台湾(台湾の概況
台湾の人口構成 ほか)
第2章 一党支配下の政治的抑圧(中華民国による台湾統治の始まり
二二八事件 ほか)
第3章 人権問題の争点化(在日台湾人社会と台湾独立運動
台湾出身者の不安定な法的地位 ほか)
第4章 大陸中国との交流拡大と民主化(台湾独立運動拠点が北米に
「党外」運動の興隆と郷土文学論争 ほか)
第5章 アイデンティティをめぐる摩擦(劉暁波の馬英九評価
馬英九政権の対中融和政策 ほか)

出版社・メーカーコメント

台湾海峡をめぐる緊張がにわかに高まっているが、台湾と中国の関係は、「敵か味方か」といった単純な構図で理解できるものではない。台湾から見た中国との「距離感」は歴史の中で時代によって大きく揺れてきた。他方で、コロナ禍におけるデジタル担当のオードリー・タンの活躍や蔡英文大統領下での同性婚の合法化など、国際的にも存在感を発揮する台湾。こうした台湾の独自性、「台湾人」としてのアイデンティティはいかにして育まれたのか? そして複雑に錯綜した国内外の対立関係をいかに乗り越えようとしているのか?第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配体制、そのもとで繰り広げられた反体制運動と政府当局による弾圧--民主化以前の台湾をめぐる政治的争点を紐解きながら、「反中/親中」あるいは「反日/親日」という二項対立では理解できない台湾社会の複雑さに迫る。そして、台湾の成り立ちに欠かせない日本とアメリカとの関係をも、「人」を起点にふんだんに描き出す。数々の歴史的なねじれ目をほどきながら理解の深まる、ありそうでなかった台湾現代史。

著者紹介

家永 真幸 (イエナガ マサキ)  
1981年東京都生まれ。東京女子大学教授。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了、博士(学術)。専門は中国政治外交史、現代台湾政治。主著に『国宝の政治史―「中国」の故宮とパンダ』(東京大学出版会、発展途上国研究奨励賞、樫山純三賞学術書賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)