単身赴任している夫のアパートをたずねた妻は、そこで女の存在を暗示する一筋の長い髪に気づく。夫の背信―その時から、家庭に安住していた彼女の心が、微妙にゆらぎはじめた…。ありふれた主婦のまわりに起こるさまざまな出来事を通して、生きがいを探し求める女の姿を鮮やかに描き出す傑作長篇小説。