
アレクサンドリア四重奏 1
ジュスティーヌ
アレクサンドリア四重奏 1
出版社名 | 河出書房新社 |
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出版年月 | 2007年3月 |
ISBNコード |
978-4-309-62301-6
(4-309-62301-8) |
税込価格 | 2,640円 |
頁数・縦 | 339P 20cm |
シリーズ名 | アレクサンドリア四重奏 |
商品内容
要旨 |
このエーゲ海の孤島に、ぼくはぼくたちの心を引き裂いたあの都会から逃れてきた。ぼくをメリッサに会わせ、そしてジュスティーヌに会わせたあの都会―ぼくがメリッサを見出したとき、彼女はアレクサンドリアの淋しい海岸に、性の翼を破られて、溺れかかった鳥のように打ち上げられていた。彼女の明るいやさしい眼差しはぼくを幸せにした。それなのに、やがて出会ったジュスティーヌの仄暗くかげる凝視に、ぼくは抗うことができなかった。メリッサとジュスティーヌの夫を不幸にすることがわかっていても。ジュスティーヌがある日こう言ったのを思い出す。「わたしたちはお互いを斧の代りに使って、本当に愛している人たちを切り倒してしまうんだわ」しかし、ぼくはいま、あの埃にまみれた夏の午後から遠く離れたいまとなって、やっと理解した。裁きを受けるべきはぼくたちではない、あの都会なのだと―。 |
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出版社 商品紹介 |
20世紀文学の最高峰。国際政治の陰謀渦巻くアレクサンドリアを舞台に恐るべき愛の逆説と悪夢のような現代人の内的世界を壮大に描く。 |