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「ニート」って言うな!

光文社新書 237

出版社名 光文社
出版年月 2006年1月
ISBNコード 978-4-334-03337-8
4-334-03337-7
税込価格 880円
頁数・縦 310P 18cm

商品内容

要旨

「ニート」とは、働かず、就学もせず、求職行動もとっていない若者を指す言葉で、日本では二〇〇四年頃より使われ始め、その急増が国を揺るがす危機のように叫ばれている。様々な機関が「ニート」の「人間性」を叩き直そうと「支援」の手を差し押べており、多額の予算が動いている。このような状況下において、本書では、まず、日本での「ニート問題」の論じられ方に疑問を覚える本田由紀氏が、「ニート」という言葉自体の不適切さを量と質の両面から明らかにする。また、『いじめの社会理論』の著者である内藤朝雄氏は、「ニート」が大衆の憎悪と不安の標的とされていることを挙げ、憎悪のメカニズムと、「教育」的指導の持つ危険な欲望について解説する。さらに、ブログ上で「俗流若者論批判」を精力的に展開し注目を浴びている後藤和智氏が、「ニート」を巡る言説を詳しく検証する。

目次

第1部 「現実」―「ニート」論という奇妙な幻影(「ニート」のイメージは間違っている
若者に対して真に必要な支援は何か)
第2部 「構造」―社会の憎悪のメカニズム(青少年ネガティヴ・キャンペーン
佐世保事件にみる諸問題
ニートをめぐる「祭り」の状況 ほか)
第3部 「言説」―「ニート」論を検証する(「ニート」論前夜―「自立しない若者」への苛立ち
「ニート」論はいかにして広まったか
週刊誌における「ニート」 ほか)

おすすめコメント

その急増が国を揺るがす大問題とされる「ニート」。しかしそもそも、その定義自体が妥当なものなのか?大衆の憎悪のメカニズムと教育的指導に潜む危険な欲望とは?ニート論が覆い隠す真の問題を明らかにする。

著者紹介

本田 由紀 (ホンダ ユキ)  
1964年徳島県生まれ。東京大学大学院情報学環助教授。専門は教育社会学。日本労働研究機構研究員などを経て現職
内藤 朝雄 (ナイトウ アサオ)  
1962年東京都生まれ。明治大学専任講師。専門は社会学。東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て現職
後藤 和智 (ゴトウ カズトモ)  
1984年岩手県生まれ。東北大学工学部建築学科在学中。平成17、18年仙台市成人式実行委員。2004年11月より、ブログ上で青少年言説の検証に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)