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「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける

光文社新書 452

出版社名 光文社
出版年月 2010年3月
ISBNコード 978-4-334-03556-3
4-334-03556-6
税込価格 858円
頁数・縦 262P 18cm

商品内容

要旨

書いたものに現れる個性は「文体」と呼ばれ、よく知られていますが、読むときにも「読体」というそれぞれの人の個性があります。「文体」と違って目に見える形にならないので気づかれにくいのですが、それぞれの人の性格や背景におうじた読みの偏りは確実に存在します。「読む」技術を向上させるには、無意識のうちに身についた自分自身の読み方の癖の姿を知らなければなりません。本書は、自分なりの読み方、「読体」を対象化し改善する目的を持っています。

目次

なぜ「読む」技術を鍛えるのか
第1部 読みの理論(「読む」ということ
「読む」技術の多様性)
第2部 速読―速く効率的に読む技術(話題ストラテジー―知識で理解を加速する力
取捨選択ストラテジー―要点を的確に見ぬく力)
第3部 味読―文章世界に自然に入りこむ技術(視覚化ストラテジー―映像を鮮明に思い描く力
予測ストラテジー―次の展開にドキドキする力
文脈ストラテジー―表現を滑らかに紡いで読む力)
第4部 精読―深く多面的に読む技術(行間ストラテジー―隠れた意味を読み解く力
解釈ストラテジー―文に新たな価値を付与する力
記憶ストラテジー―情報を脳内に定着させる力)

おすすめコメント

言語の学習には、「読む」「書く」「聞く」「話す」という四つの技能がある。その中でも「読む」という行為は、漢字と語彙がわかれば自然に読めると思われているせいか、他の三つの技能よりも軽んじられる傾向にある。しかし、現実の生活を振り返ってみると、「読む」という活動に割く時間は圧倒的に多い。学生であれば教科書や参考書、社会人であれば報告書やレポート、空き時間のメールチェックや新聞・雑誌による情報収集、そして休日の趣味の読書等々。また、人によって「文体」が違うように、読み方にも「読体」という個性があることは、あまり知られていない。本書は、化石化した自分の読みに揺さぶりをかけ、新たな読みを自分で開発する力をつけるための、八つの戦略(ストラテジー)を紹介。読むという行為をとらえ直し、読み方の引き出しを増やし、実生活での創造的な活動に結びつけることを目指す。

著者紹介

石黒 圭 (イシグロ ケイ)  
1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。一橋大学留学生センター・言語社会研究科准教授。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)