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子育て罰 「親子に冷たい日本」を変えるには

光文社新書 1143

出版社名 光文社
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-334-04551-7
4-334-04551-0
税込価格 1,012円
頁数・縦 290P 18cm

商品内容

要旨

少子高齢化が加速する日本において、出生数の回復は急務であるにもかかわらず、日本は諸先進国に比して家族関連社会支出が極端に少ない。子育て世帯に福祉的「ボーナス」を与えるどころか、金銭的にも社会的にも「罰」を与える政策により、日本の少子化対策は完全に失敗している。子育てを「自己責任」とみなし、親子を苦しめる社会・政治の制度・慣行を、本書では「子育て罰」と定義。九月入学問題や高所得世帯の児童手当廃止、「こども庁」の政治利用等に鋭く切り込んできた教育学者の末冨芳氏が、日本から「子育て罰」をなくし、再び「親子にやさしい国」にするための方策を論じる。学術用語「child penalty」から「子育て罰」という訳語を生んだ社会福祉学者・桜井啓太氏の論考、末冨・桜井両氏による対談も収録。

目次

第1章 「子育て罰」を作った3つの政治要因(本書における「子育て罰」の定義
「子育て罰」を生み出してきた政治の3つの課題 ほか)
第2章 「子育て罰」と子どもの貧困(「チャイルド・ペナルティ」を「子育て罰」と訳した理由
「子育て罰」と「子どもの貧困」の関係 ほか)
第3章 「子育て罰大国」はどのようにして生まれたか(子育て罰社会の治療法
「公的領域」から追い出されてきた子どもと女性 ほか)
第4章 対談「子育て罰」大国から「子育てボーナス」社会へ!(末冨芳×桜井啓太)(「子育て罰」の誤解
「子育て罰」と貧困 ほか)
第5章 「子育て罰」をなくそう―失敗を受け入れ、「親子にやさしい日本」に変えるために(少子化対策の「失敗学」と「子育て罰」をなくすステップ
「親子にやさしい日本」を支える子ども・家族対策へ ほか)

著者紹介

末冨 芳 (スエトミ カオリ)  
1974年、山口県生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術・神戸大学大学院)。福岡教育大学准教授を経て、日本大学文理学部教授。専門は教育行政学、教育財政学。内閣府子どもの貧困対策に関する有識者会議構成員、文部科学省中央教育審議会委員等を歴任
桜井 啓太 (サクライ ケイタ)  
1984年、大阪府生まれ。大阪市立大学大学院創造都市研究科博士課程単位取得退学。博士(創造都市)。地方自治体職員(堺市)、名古屋市立大学准教授を経て、立命館大学産業社会学部准教授。専門は貧困問題、生活保護(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)