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時間の言語学 メタファーから読みとく

ちくま新書 1246

出版社名 筑摩書房
出版年月 2017年3月
ISBNコード 978-4-480-06950-4
4-480-06950-X
税込価格 836円
頁数・縦 205P 18cm

商品内容

要旨

時間は抽象なので、私たちが時間を認識するとき、なにかに「見立て」るしかない。この「見立て」つまりメタファーを分析することで、“時間”を具体的に意識化することができる。近代において最も強固な「見立て」は“時は金なり”のメタファー。コーパスや、具体的なテキスト(「吾輩は猫である」「モモ」等)を探り、私たちが縛られているさまざまな時間のメタファーを明らかにした上で、新しい時間概念(「時間は命」)を模索したい。

目次

第1章 時間をことばで表すと―『広辞苑』vs.『新明解』(『広辞苑』の定義の変遷
『新明解』の挑戦)
第2章 「時間」と「とき」(ときの意味―ゆったりと流れるもの
時間の意味―計量されるもの
「時は金なり」は「時間は金なり」?)
第3章 時間経過の認識論(哲学者たちは時間をどう思索したか?
時間はどう流れるか)
第4章 時間のメタファー(時は金なり
時間に追われる
時間のネットワーク―時間のことばの全体像)
第5章 新たな時間概念を求めて(“時間は命”
時間の円環を取り戻す)

おすすめコメント

物理学でも哲学でもない、言語学からみた時間論。〈時は金なり〉等、現代人が縛られているメタファー(隠喩)を明らかにする。

著者紹介

瀬戸 賢一 (セト ケンイチ)  
1951年生まれ。佛教大学文学部教授。大阪市立大学名誉教授。専門は、英語学・レトリック。レトリックを中心に言語表現の実際を分析し、豊かな表現技法に向けてさまざまな提言をしている。また、認知言語学の立場から、人間の言語・行動・認識を体系的に解明することを目指す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)