• 本

未来は予測するものではなく創造するものである 考える自由を取り戻すための〈SF思考〉

出版社名 筑摩書房
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-480-86476-5
4-480-86476-8
税込価格 1,980円
頁数・縦 270P 19cm

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要旨

近年、製品やサービス開発などに「SF小説」を取り入れる「SFプロトタイピング」という手法が注目されている。SF作品を生み出す際に用いられる、未来を想像/創造するための思考法は「SF思考」と呼ばれ、こちらもビジネスにおけるアイディア創出に取り入れられることが多くなっているようだ。本書では、気鋭のSF作家で、ITコンサルタントでもある著者が、SF思考とSFプロトタイピングに関する定義やその成立経緯、社会的な意義や実践方法、事例のサンプルなどを紹介し解説。その過程で、SFの重要キーワードである「未来」と、未来を創造することについて、研究者等によるこれまでの議論を踏まえて論じている。妄想ともいえる想像力によって、「現在」の延長線上にない「ぶっ飛んだ未来」を創造するSFをビジネスに応用することで、制約にしばられない革新的な発想ができるのだという。著者は1989年生まれで、外資系コンサルティングファームでテクノロジー部門のマネージャーを務める。また、スタートアップ企業Anon Inc.にてCSFO(Chief Sci-Fi Officer)として、多くのSFプロトタイピング案件を手掛けている。『構造素子』(早川書房)で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し作家デビュー。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年8月20日]

商品内容

文学賞情報

2021年 第4回 八重洲本大賞受賞

要旨

「事例は?」「エビデンスは?」「効果は?」―形骸化したルールや管理指標に絡めとられ、日本社会はいま停滞の中にある。イノベーションの経験も、その記憶すらも失われつつある。前例主義は過去を縮小再生産し、過去でできた現在を未来にすりかえる。妄想を、理想を恐れないこと。イシューからはじめないこと。「世界は変えられる」と本気で信じる想像力を持つこと。物語の力とともに、出口の見えない退屈な現実を打破し、自由な思考と戯れるために。

目次

1 “SF思考”とは何か?(物語の力
オルタナティブを思考/志向する“SF思考”
世界におけるSFとビジネスの関係)
2 “SFプロトタイピング”をはじめる(自由な思考・議論のためのマインドセット
SFプロトタイピングのプロジェクト進行
物語のアプローチを考える
物語を生み出すコツ)
3 “SFプロトタイピング”のケーススタディ(未来の服を考える「母を着る」
未来の都市を考える「ペーンポーイ文明における都市型演算機構の活用事例(『ペーンポーイ民俗史研究』第二七号掲載)」
COVID‐19以降の社会を考える「踊ってばかりの国」)

著者紹介

樋口 恭介 (ヒグチ キョウスケ)  
1989年生まれ。岐阜県出身。早稲田大学文学部卒業。外資系コンサルティングファームに勤務。現在はテクノロジー部門のマネージャーを務め、DX戦略を中心とする案件を手掛ける。並行して、スタートアップ企業Anon Inc.にてCSFO(Chief Sci‐Fi Officer)を務め、多くのSFプロトタイピング案件を手掛けるとともに、SFプロトタイピングに関する情報発信を行い、日本国内におけるSFプロトタイピングの普及と発展を推進する。『構造素子』(早川書房)で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)