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マナートの娘たち

海外文学セレクション

出版社名 東京創元社
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-488-01687-6
4-488-01687-1
税込価格 2,420円
頁数・縦 262P 20cm

商品内容

要旨

姉が弟の遺体を浄める。本来これは同性の仕事なのだが、姉は自分がやると主張した―。亡き弟の思い出を情感豊かに紡ぐ「浄め(グスル)」。アメリカの女の子として成長してきたアラブ系移民2世の“わたし”と、波乱の人生をおくった伯母の物語に、窓から飛び降りた女が女神と邂逅する幻想的な光景を織り込んだ「マナートの娘たち」。#MeToo運動以前の映画産業で、あるインターンの女性が受けたハラスメントを描き、問題提起する「懸命に努力するものだけが成功する」。新聞記事や手紙、メールの文章、リアリティー番組の台本やSNS投稿など虚実取り交ぜた多彩な媒体のコラージュで、フロリダで実際に起こったシリア・レバノン系移民夫婦のリンチ事件を核に、アメリカという国家に潜む暴力性や異質なものを排除しようとする人間の本質を浮かび上がらせる野心的な傑作「アリゲーター」。過酷な現実を生きる人々に寄り添い、多様な声を届けようとする全9篇。現代アメリカ文学の新鋭による鮮烈なデビュー短篇集!

出版社・メーカーコメント

死んだ弟の遺体を清める姉の述懐を情感豊かに紡ぐ「浄め(グスル)」。アラブ系移民2世の「わたし」と、破天荒な人生をおくった伯母の物語に、窓から飛び降りた若い女と女神の邂逅を描く幻想的な文章を織り込んだ「マナートの娘たち」。新聞記事や公文書、手紙、SNS投稿など多彩な媒体のコラージュで、シリア系移民夫婦のリンチ事件を核にアメリカという国家に潜む暴力性や人間の本質を示す傑作「アリゲーター」など全9編。現代アメリカ文学注目作家の鮮烈なデビュー短編集!

著者紹介

アルザヤット,ディーマ (アルザヤット,ディーマ)   Alzayat,Dima
シリア、ダマスカス生まれ。7歳でアメリカに移住し、カリフォルニア州サンノゼで育つ。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で映画と経済を学び、コロンビアとエクアドルを経てイギリスへ。エジンバラ大学で創作の修士号を、その後ランカスター大学で創作の博士号を取得。現在はアメリカに戻り、ラドクリフ大学でフェローとしてアラブ系アメリカ人の歴史、文化、アイデンティティを研究している。2020年刊行のデビュー短篇集『マナートの娘たち』は、ディラン・トマス賞、PEN/ロバート・W・ビンガム賞、ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞の最終候補となった
小竹 由美子 (コタケ ユミコ)  
1954年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)