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漣の王国 SahasrAra

出版社名 東京創元社
出版年月 2019年7月
ISBNコード 978-4-488-02801-5
4-488-02801-2
税込価格 1,980円
頁数・縦 294P 20cm

商品内容

要旨

私たちにとって綾部蓮は、遠い国の王様だった。神の贈り物のごとき肉体に恵まれ、水泳の才と美貌を気ままに揮い、その周囲に王国を築きながら、入水自殺した青年。永遠に若いままの彼を残して、それでも私たちの人生は続く。期待の俊英が紡ぐ、忘れ難き連作ミステリ。

おすすめコメント

綾部蓮という青年は、私たちにとって遠い国の王様のような存在だった。神の贈り物と呼ぶべき肉体と才能に恵まれ、水泳の世界では栄冠を手中に収め、それでいていつも退屈を持て余していた。だから彼が自殺した時、その理由を知る者もいなかった――。誰もが彼の年齢を追い越していくなか私たちは思い出す。なぜ青年は自ら命を絶ったのか? 人生の一時期に訪れる謎と恩寵を忘れ難い余韻をもって描き出す、期待の俊英による連作長編。

著者紹介

岩下 悠子 (イワシタ ユウコ)  
1974年東京都生まれ。97年『砂の蝶』が第23回城戸賞を受賞。ミステリ・ドラマの脚本を数多く手掛ける一方、2012年に小説「熄えた祭り」を発表する。17年に同作を含む連作集『水底は京の朝』を刊行。流麗な筆致と卓越した構成で、ふたつとない小説世界を紡ぐ俊英(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)