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幣原喜重郎とその時代

PHP文庫

出版社名 PHP研究所
出版年月 2003年7月
ISBNコード 978-4-569-57993-1
4-569-57993-0
税込価格 1,100円
頁数・縦 468,15P 15cm

商品内容

要旨

幣原は、大正13年、外交官試験に合格した者として初めて加藤内閣の外相に就任する。その外交姿勢は、英米協調・対中国内政不干渉を基調とした。いわゆる「幣原外交」である。しかしそれは陸軍・財界・政友会等から「軟弱外交」と非難をあび、昭和2年、幣原は退場を余儀なくされる。そもそも非自主的、非協調的な外交など存在しない。デモクラシーの理想を信じた男の信念と悲哀を描く著者渾身の評伝。

目次

新世代の外交官―典型的な平和な時代の真面目な秀才
アメリカの世紀の始まり―新興日本と新興アメリカが太平洋で遭遇する
混沌の中国大陸―拙劣を極めた二十一箇条要求
日英同盟の時代―その時代、英国紳士は日本人の理想だった
日英同盟の岐路―日本は第一次大戦で同盟強化のチャンスを見逃した
ロシア革命とシベリア出兵―ロシア革命の余波は日本にも及んだ
パリ講和会議―同盟国英国の老練な外交が日本を救った
日英同盟の終焉―「旧外交」と「新外交」の岐路に立たされた幣原の選択
平和と軍隊―ワシントン軍縮を成功させた加藤友三郎の見識、幣原外交の冴え
幣原外交の開花―外相に就任した幣原は外交の新機軸を開いた
潮の変わり目―幣原の協調路線に国民世論は反発した
中国統一の気運に直面する田中外交―張作霖爆殺事件はその後の日本に決定的な悪影響を及ぼした
幣原外交の最後の業績―時流が変わっていく中、幣原は少しも変わらなかった
幣原外交の終焉―幣原の辞任で日本は対米外交の貴重な資産を失った

著者紹介

岡崎 久彦 (オカザキ ヒサヒコ)  
1930年大連生まれ。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し外務省に入省。1955年ケンブリッジ大学経済学部学士及び修士。在米日本大使館、在大韓民国大使館などを経て、1984年初代情報調査局長に就任する。その後も駐サウジアラビア大使、駐イエメン大使を務め、1988年より駐タイ大使。1992年退官。現在は岡崎研究所所長。著書に『隣の国で考えたこと』(中央公論社、日本エッセイストクラブ賞)、『国家と情報』(文芸春秋、サントリー学芸賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)