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藤沢周平という生き方

PHP新書 439

出版社名 PHP研究所
出版年月 2007年1月
ISBNコード 978-4-569-65994-7
4-569-65994-2
税込価格 770円
頁数・縦 229P 18cm

商品内容

要旨

人間関係の悩み、将来の不安、現状への不満…。表に出せずためこんだ負の感情を、人としずかに感じあい、うけいれ、いま一度むきあう。「鬱屈の交感」こそ藤沢周平から読者への贈り物だった。人は喜びや楽しみ以上に、苦しみや悲しみでつながらねばならぬ。「ハッピーエンドが書けなかった」と語る独特の人間観は、つらくても生きようとする、ほの明るい意志を登場人物に吹きこんだ。没後10年、心が鬱々として晴れない時代がゆえに読み継がれる藤沢周平。新たに発見されたデビュー前の諸作品から長編への跳躍の軌跡を語る。

目次

交感 苦しみと悲しみの交感―藤沢周平という生き方
鬱屈 鬱屈からはじまった―書くことと鬱屈との関係
助走 さまざまな可能性にむかって―発見された十四作品をたしかめる
跳躍 かならず人は跳躍のときをむかえる―八年の歳月の、さらなる鬱屈がそうさせた
出来る なにからも学び、なにごとも可能にする青春の日々―獄医立花登手控えシリーズ
真夏 真夏の光が照らし耳にわんとひびくほどの蝉の声がもどって来た―『蝉しぐれ』
誘惑 壮大な権力を狙撃する、眼が眩むばかりの誘惑―『逆軍の旗』『回天の門』『雲奔る』
人肌 たまらなくひと肌が恋しくなることがある―彫師伊之助捕物覚えシリーズ
もめごと 世の中、揉めごとというものは絶えんものだ―『よろずや平四郎活人剣』
権力 権力の内側に入り、身体が熱湯をかぶるように熱くなった―『風の果て』『市塵』
筋を通す 薄汚れ、ぼろぼろになってなお友は筋を通した―用心棒日月抄シリーズ
老い 一本の白髪の背後には、見知らぬ世界が口をあけていた―『海鳴り』
早春 明るい早春の光の下、虫のようなしかし辛抱強い動きを見た―『三屋清左衛門残日録』
帰郷 人は二度、故郷にいだかれねばならない―『一茶』に刻まれた、藤沢周平の旅のはじまり、旅の終わり

おすすめコメント

没後10年、いまだに絶大な人気を誇る藤沢周平が遺した「人間観」とは。デビュー前の新発見作品も踏まえ、晩年までの長編小説を追う。

著者紹介

高橋 敏夫 (タカハシ トシオ)  
1952年香川県生まれ。文芸評論家。早稲田大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。早稲田大学文学部・大学院教授。専門は近現代日本文学。学生時代から類まれな文芸評論で注目され、その後も社会事象や映画、マンガ、文学、音楽、演劇など幅広いジャンルを素材に鋭い現代批評を展開することで知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)