• 本

人類を救う哲学

出版社名 PHP研究所
出版年月 2009年1月
ISBNコード 978-4-569-70365-7
4-569-70365-8
税込価格 1,430円
頁数・縦 229P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 経済発展を善とする進歩主義に警鐘を鳴らす対談集。内容は多岐にわたるが、とりわけ文学について語った部分が気に留まったのでご紹介しよう。梅原氏は近代以降の自然主義文学がもてはやされることについて疑問を提出している。人間の醜悪な姿を描いた作品が傑作として評価されることへの懐疑である。だが、このようないわゆる純文学が一般受けしているかといえば、そうではない。読まれているのはむしろ大衆文学であり、その大衆文学は、かつて自然主義文学が登場する以前、文学のテーマだった「善」を描いてきたのだ。例えば、藤沢周平は立身出世や金儲けといった価値観に従わず、市井にあって一筋の道を貫いた人間を描いた。いまだに彼の作品に支持者が多いことは、古来からの道徳観というものが人を惹き付けておく何かをもっていることの証左ではないだろうか。「人間の人格を発達させることが文明の究極の目的である」と述べたのはアレキシス・カレルであるが、その言葉に耳を傾けず欲望の赴くまま突っ走ってきた人間が手にしたものはいったい何だったのか、本書がこのことを考え直してみる契機となれば幸いである。 (のり)

    (2009年4月26日)

商品内容

要旨

「進歩」から「循環」へ!「欲望」から「利他の心」へ!経済成長こそ善なのか?国益こそ正義なのか?道徳も倫理観もなき傲慢な社会はいずれ滅びる!日本人だからできること、しなければいけないこと。

目次

第1章 文明の崩壊が始まった
第2章 アメリカ文明は正しいのか
第3章 「進歩」から「循環」の思想へ
第4章 世界連邦政府を樹立せよ
第5章 「利他の心」を教える教育を
第6章 神様が人類に与えた力
第7章 「無私の情熱」が成功を導く

出版社
商品紹介

人間の「欲望」や「憎しみ」を抑え、「愛」「慈悲」「利他」の心をもって生きなければ、いずれ地球は滅ぶ。未来を創る哲学を語る。

おすすめコメント

人間の「欲望」や「憎しみ」を抑え、「愛」「慈悲」「利他」の心をもって生きなければ、いずれ地球は滅ぶ!未来を創る哲学を語る。

著者紹介

梅原 猛 (ウメハラ タケシ)  
1925年、宮城県仙台市に生まれ、愛知県知多郡で育つ。哲学者。京都大学文学部哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授、同大学学長を経て、87年から95年まで国際日本文化研究センター初代所長を務める。現在、同センター顧問。72年『隠された十字架―法隆寺論』(新潮社)で第26回毎日出版文化賞受賞、74年『水底の歌―柿本人麿論』(上下巻、新潮社)で第1回大佛次郎賞受賞。99年、文化勲章受章。「梅原古代学」「梅原日本学」と呼ばれる多くの著作がある
稲盛 和夫 (イナモリ カズオ)  
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長を務める。また84年に第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。一方、84年に稲盛財団を設立すると同時に「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。他に、若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、経営者の育成に心血を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)