
逝きし世の面影
平凡社ライブラリー 552
出版社名 | 平凡社 |
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出版年月 | 2005年9月 |
ISBNコード |
978-4-582-76552-6
(4-582-76552-1) |
税込価格 | 2,090円 |
頁数・縦 | 604P 16cm |
書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
前進する力となるものは過去への肯定感である。このことが新たな創造に必要なのだ。最近、そう説いた論者がいたことを思い出した。歴史の過程において、人間は決して得る一方だったわけではない、同時に失ったものが必ずあった。それは必然的に棄てざるを得なかったもの、という位置づけがなされるだろうが、外国人が軒並み賞賛するような美点でもあったのである。人間の幸福は歴史の進行とともに増大してきた、というような教科書的な歴史観は全くの誤りであることに気付かされる。われわれ現代人が、当時の人びとの立場で歴史を通観するのには困難さが伴うが、本書は徹底した文献の分析によってそれを可能にした。時代小説のなかの、あの細やかな人情や人びとの自由さは、必ずしもまったくの作り事ではないのだ。時代小説ファンの皆様は、ぜひ本書を通読されることをお薦めする。時代小説はファンタジーではなかった。きっと新たな発見があることだろう。(のり)
(2009年1月4日)
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商品内容
要旨 |
「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。 |
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目次 |
ある文明の幻影 |
出版社 商品紹介 |
明治から百余年。日本人は何を得、何を失ったのか。膨大な資料をもとに、日本人が知らない日本人の素顔を浮き彫りにした幻の超大作。 |
おすすめコメント
昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え……。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。