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里山という物語 環境人文学の対話

出版社名 勉誠社
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-585-22180-7
4-585-22180-8
税込価格 3,080円
頁数・縦 323P 19cm

商品内容

要旨

SATOYAMAとは何か―人びとの暮らしと多様な生き物を育む自然が調和した美しい環境、里山…。日本の原風景を残すエコロジカルな体系を体現するものとして、近年もその意義は盛んに喧伝され、世界的な関心も集めつつある。しかし、このような理解は里山のすべてを捉えているのだろうか。里山なるものが形成されるトポスがはらむ問題、歴史的に形成・構築された言説のあり方を、さまざまな視点から解きほぐしていくことにより、里山という参照軸から自然・環境をめぐる人間の価値観の交渉を明らかにする。

目次

第1部 イメージと場所(里山言説の地勢学―ランドスケープ、場所、ゾーン
なぜ里山なのか―近代の自然言説から
原発のある風景―水上勉『故郷』における里山の変容
日本の景観を飲み込む“里山”
芸術祭と里山・里海―環境美学の視点から
失楽園幻想、サイボーグ、新しいリアリティ)
第2部 せめぎ合う自然と文化(里山―その実態の歴史的変遷と現代的表象
中世日本の「里」と「山」―加賀軽海郷の開発と洪水
絵図に描かれた里山
東京近郊の里山が辿った歴史―横浜市港北区日吉周辺を中心に
「里山の危機」と「竹林拡大」―保護/排除される景観
養生論からみた里山
里と山の相克)

著者紹介

結城 正美 (ユウキ マサミ)  
金沢大学人間社会研究域教授、ASLE‐Japan/文学・環境学会代表。専門はエコクリティシズム、アメリカ文学
黒田 智 (クロダ サトシ)  
金沢大学人間社会研究域学校教育系教授。専門は中近世日本文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)