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こずえと申す

ポプラ物語館 86

出版社名 ポプラ社
出版年月 2021年8月
ISBNコード 978-4-591-17054-0
4-591-17054-3
税込価格 1,650円
頁数・縦 150P 21cm

商品内容

要旨

天狗山はぼくたちの山。木の根もとにはイノシシが牙をといだあと、キツネのすむうろ、地面にはニホンリスがかじったあとのあるマツボックリがころがり、さまざまな動物のふんや足あともたくさんみつかる。天狗山に道路を通す計画があるってほんと?大人のつごうで決めてしまうの?動物たちは、そしてぼくたちは、だまっているだけでいいの?

出版社・メーカーコメント

父さんは仕事大事人間で、去年の夏、ぼくは母さん、弟の洋といっしょに父さんのじっちゃんの家で暮らすことになった。母さんがいうに、父さんと母さんは「人生の大事」が違うのだそうだ。母さんは「人生はショージでできているんだ。それを大切にしなくちゃ」。ショージは小事、毎日の小さなひとつひとつのことだ。じっちゃんの家で、ぼくの仕事は毎朝、新聞受けに新聞をとりにいくこと。その日も起きてすぐ新聞受けにいった。ところが、届いているはずの新聞が、ない。そのかわりに入っているのはきちんとくくられた幾枚かの葉っぱ。そして、そのことがきっかけで、ぼくはこずえという少女と出会い、近くの天狗山に道路を通す計画があることを知る。天狗山はタヌキやイノシシなどがすむ緑多い山。近所の人たちのいい散歩コースにもなっている。そんな山に道路を通したら? 今度の市議会議員選挙でそのことが争点になっているというが、ぼくたちに選挙権がないのはなぜ? ぼくは弟、友だちの大介、そしてこずえといっしょに、「ぼくたちにできること」を考えはじめる。すっくと立ち、まっすぐにものごとを見つめる子どもたちのありかたがすがすがしい読後感をもたらす物語。

著者紹介

吉田 道子 (ヨシダ ミチコ)  
東京に生まれ、博多、京都で育つ。おもな作品に、『ヤマトシジミの食卓』(くもん出版、第57回青少年読書感想文全国コンクール課題図書、第51回日本児童文学者協会賞)などがある。日本児童文学者協会会員
宮尾 和孝 (ミヤオ カズタカ)  
1978年、東京都に生まれる。書籍の装画・さし絵、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)