商品内容
要旨 |
本書の方法の特徴はつぎの点にある。いわゆる法解釈学・法廷技術・立法作業といった法現象を、制度の側面からではなく、あくまで“人間集団としての法律家社会グループ”の側面から考察した点にある。法を具体的に創出してゆく法律家集団を中間項において、法と政治と経済という三者の相互の作用・反作用のプロセスを具体的に辿った歴史的分析は、一定の様式で支配層=エリートを創出する社会の指標を示しつつ、一方において近代の各社会構造の体質を見立てる処方箋ともなっている。こうして15世紀以来の各時代の法的エネルギーの中核的モメントはいかんなく明示された。これは新しい歴史学の先駆であり、社会史・政治史・経済史などとの隔壁を破って、ほかの歴史学との自由なコミュニケーションを可能にするものである。構想の雄大さ、視角の斬新さ、論証の多彩さは画期的著作の実感を読者に与えずにはいない。 |
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目次 |
序説 近代ヨーロッパの法律家の知識社会学的諸類型 |