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破壊系資本主義 民主主義から脱出するリバタリアンたち

出版社名 みすず書房
出版年月 2026年1月
ISBNコード 978-4-622-09830-0
4-622-09830-X
税込価格 3,960円
頁数・縦 282,64P 20cm

商品内容

要旨

〈もはや自由と民主主義が両立するとは思っていない。自由至上主義者が取り組むべき大仕事は、あらゆる形態の政治から逃れる方法を見つけることだ〉。テック業界の世界的な大立者で、リバタリアンとしても有名なピーター・ティールは、民主主義なき資本主義という夢をこうぶち上げた。だが、大仕事に着手したのは彼ではない。徹底的な市場原理に基づいて経営されていた香港。十全の経済的自由を実現しながら民主主義的には不完全な領域…。この「ゾーン」に心酔したのは、新自由主義の偶像ミルトン・フリードマンだ。新自由主義知識人らは、香港をテンプレートとして、ゾーンを世界中に広めることを夢見た。この夢想は、タックスヘイブン、自由港、経済特区など、さまざまな姿をとった。既存国家の規制から自由な海上都市というSF的構想すら真剣に取り組まれている。ロンドン、シンガポール、南アフリカ、米国、未承認国家ソマリランド、ドバイ、メタバース…実験場は世界各地に及ぶ。低能な多数者の専制を脱出しゾーンを建設する願望は、低能とされた人種からの隔離主義や21世紀版植民地主義にしばしば結びつく。テック右派に影響を及ぼす思想家カーティス・ヤービンは、シリコンバレーによるホンジュラスでのゾーン建設構想を〈非欧州人は欧州人に支配されていたときのほうが豊かだった〉と絶賛した。新自由主義研究の画期を成す歴史家が、急進的市場主義者の夢想と実践を追跡する。

目次

1 小さな島々の物語(世界にもっと香港を
ロンドン―美しき廃墟
シンガポール方式)
2 部族化する世界(リバタリアン流のバントゥースタン
素晴らしき「国家の死」
米国―「新たな中世」のコスプレ族
株式会社リヒテンシュタイン)
3 フランチャイズ国家(ソマリ白人のビジネス族
ドバイ―法律のバブルドーム
ホンジュラス―シリコンバレーの植民計画
メタバースのクラウド国)

著者紹介

スロボディアン,クィン (スロボディアン,クィン)   Slobodian,Quinn
1978年、カナダ・アルバータ州生まれ。歴史学者。ボストン大学パーディー・スクール教授。ニューヨーク大学で博士号を取得し、専門はドイツ史と国際関係史。英・王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)のアソシエートフェローやアメリカン・ヒストリカル・レビュー誌の編集委員も務める。グッゲンハイム・フェロー選出(2025‐26)
松島 聖子 (マツシマ セイコ)  
1965年生まれ。明治大学文学部文学科卒業後、出版社に入社。編集者、翻訳者。2011年から12年間、フリー英日翻訳者としてプレスリリース翻訳に従事した後、現在は週刊経済誌のニュース・コラム翻訳、広告翻訳、IT報告書の訳文校閲などを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)