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大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

ヤマケイ文庫

出版社名 山と溪谷社
出版年月 2022年7月
ISBNコード 978-4-635-04943-6
4-635-04943-4
税込価格 1,210円
頁数・縦 308P 15cm

商品情報

商品内容

要旨

今から5億年前、地球上に「土」が誕生した。ひたすら土を食べて土壌を耕すミミズ、岩を溶かすように進化したキノコ、土で塩分を補給するオランウータン…。土は動植物の躍進を支えるとともに自らも変化し、恐竜の消長や人類の繁栄に大きな影響を及ぼしてきた。土の中に隠された多くの謎をスコップ片手に掘り起こし、土と生き物たちの歩みを迫った壮大なドキュメンタリー。文庫化にあたり書き下ろしのあとがきを収録。

目次

プロローグ 足元に広がる世界(生き物が土を生んだ
旅をはじめる前に)
第1章 土の来た道:逆境を乗り越えた植物たち(地球に土ができるまで
大陸移動とシダの森
樹木とキノコの出会い
ジュラシック・ソイル
砂上の熱帯雨林
氷の世界の森と土
奇跡の島国・日本)
第2章 土が育む動物たち:微生物から恐竜まで(栄養分をかき集める生き物たち
腸内細菌の活躍
土と生き物をつなぐ森のエキス・溶存有機物
栄養分のキャッチボール)
第3章 人と土の1万年(土に適応したヒト
水と栄養分のトレードオフ
古代文明の栄枯盛衰は土次第
酸性土壌と生きるには
田んぼによる酸性土壌の克服
里山とフン尿のリサイクル
人口増加と土壌酸性化を加速させたハーバー・ボッシュ法)
第4章 土のこれから(土を変えたエネルギー革命
木材を輸入する森林大国・日本
窒素まみれの日本
ポテトチップスの代償
味の好みが土を変える
納豆ごはんと水田土壌
土が照らす未来:適応と破滅の境界線)

出版社・メーカーコメント

河合隼雄賞受賞・異色の土研究者が語る土と人類の驚異の歴史。 土に残された多くの謎を掘り起こし、土と生き物の歩みを追った5億年のドキュメンタリー。  地球には最初、土がなかった。地球上に生き物が誕生し、遺体と岩石から土が生まれた。 現在のところ地球は生き物が確認されている唯一の惑星であり、ゆえに土は地球にしか存在しない。 ひたすらに土を食べて耕すミミズ、岩を食べるようになったキノコ、腐葉土を食べるカブトムシの幼虫……。 土は植物や昆虫の躍進を支えるとともに相互に影響し合い、さらに恐竜の消長や人類の繁栄に場所を貸してきた。 身近なはずの「土」のことを、私たちはどれほど知っているだろうか。 土の研究者である著者がスコップ片手に世界を飛び回り、土に残された多くの謎を掘り起こしていく。 土と生き物たちの歩みを追った5億年の、そして未来へ向けたドキュメンタリー。 文庫化にあたり著者書き下ろしのあとがきを収録。

著者紹介

藤井 一至 (フジイ カズミチ)  
土の研究者。1981年富山県生まれ。2009年京都大学農学研究科博士課程修了。京都大学博士研究員、日本学術振興会特別研究員を経て、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。専門は土壌学、生態学。インドネシア・タイの熱帯雨林からカナダ極北の永久凍土、さらに日本各地へとスコップ片手に飛び回り、土と地球の成り立ちや持続的な利用方法を研究している。第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。『土 地球最後のナゾ』(光文社新書)で第7回河合隼雄学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)