自らの理念を現実化すべく国策関与を深める蝋山政道、三木清、笠信太郎ら当代随一の知識人たち。はたして１９３０年代は「暗い谷間」だったのか？戦後思想を規定した丸山眞男の誤謬を撃ち、昭和戦前期のイメージを根源から塗り替える。

第１章　戦前日本の政治と知識人
第２章　社会改革に向けて
第３章　危機意識
第４章　国家への回帰
第５章　ファシズムとナショナリズムに向き合って
第６章　昭和研究会創立のころ
第７章　新体制の構想
第８章　政治的動員
第９章　知識人・ファシズム・権力志向

学問が政治に関わりすぎたゆえに、戦後歴史学があえて目をそむけてきた、当時の熱狂的かつ知的・政治的躍動を丹念に描く。