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アンドレ・ジッドとキリスト教 「病」と「悪魔」にみる「悪」の思想的展開

出版社名 彩流社
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-7791-2836-3
4-7791-2836-6
税込価格 4,400円
頁数・縦 438P 19cm

商品内容

要旨

「悪」をめぐるジッドの思索はキリスト教社会に留まらない普遍的射程を有している。彼が「病」と徹底的に向き合わねばならなかったからこそ、「悪魔」をめぐる関心や思索の展開が開かれた様子が浮かび上がるのだった。文学創作においても避けては通れない課題となった「悪」との対峙を通じて形成されたジッドの思想的独自性を浮かび上がらせる。

目次

序論
第1部 「病」と宗教(幼少期から一八九〇年頃までのジッドと「病」
初期作品における「病」とジッドにおける「病」
「病」についての価値転換とキリスト教思想の形成)
第2部 「病」、身体、宗教(「盲目」と宗教
カトリックと「病」―『法王庁の抜け穴』を通して
セクシュアリティと宗教)
第3部 ジッドにおける「悪魔」の問題(ジッドの悪魔論
『贋金使い』における「悪魔」の問題)
結論

出版社・メーカーコメント

"本書は、1890年代から1930年代までのジッドにおける「悪(le mal)」をめぐる思想的展開を、「病(le mal, la maladie)」と「悪魔(le diable, le d?mon, le Satan, le Malin)」という二つの軸となる観念の検討を通じて明らかにしようとしたものである。ジッドの著作を読み解くと、彼が「病」と徹底的に向き合わねばならなかったからこそ、「悪魔」をめぐる関心や思索の展開が開かれた様子が浮かび上がる。「病」も「悪魔」も、彼の実存のみならず、文学創作においても避けては通れない課題であった。これら「悪」との対峙を通じて形成されたジッドの思想的独自性を浮かび上がらせることが狙いである。「悪」をめぐってジッドが示した思索が、彼個人またキリスト教社会に留まらない普遍的射程を有していたことを最終的に結論づける論考である。"

著者紹介

西村 晶絵 (ニシムラ アキエ)  
盛岡大学文学部助教。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。博士(学術)。電気通信大学非常勤講師、大谷大学真宗総合研究所東京分室PD研究員等を経て、2020年より現職。専門はフランス文学・フランス思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)