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一九三〇年代のメディアと身体

青弓社ライブラリー 23

出版社名 青弓社
出版年月 2002年3月
ISBNコード 978-4-7872-3197-0
4-7872-3197-9
税込価格 1,760円
頁数・縦 255P 19cm

商品内容

要旨

危機の時代に繰り返し参照されてきた「1930年代」。さまざまな知が戦争に向けた動員体制にのみこまれていったファシズムの時代として、この時代標識は「歴史は繰り返す」式の問題設定を引き出してきた。しかし、この時代の言説とメディアに堆積した生きた経験のなかに分け入っていくとき、どのような地平が開かれていくのだろうか。30年代のメディアと身体のありようについて、「総力戦の思想」「宣伝の思想」「観光の思想」「メディアの思想」「口演の思想」「放送の思想」という6つのテーマに焦点をあてて、われわれ自身の経験や実践、社会的リアリティの変容を考察し、現在を歴史的・立体的に把握する手がかりを探り出す。

目次

第1部 1930年代という問題(1930年代論の系譜と地平)
第2部 1930年代を読みなおす(1930年代と「戦争の記憶」―集合的記憶のメディア論的検討
プロパガンディストたちの読書空間
「2つの近代」の痕跡―1930年代における「国際観光」の展開を中心に
メディア論的ロマン主義―横光利一と中井正一、メディアの詩学と政治学
「新作」を量産する浪花節―口演空間の再編成と語り芸演者
「耳」の標準化―認定ラジオという逆説)

著者紹介

吉見 俊哉 (ヨシミ シュンヤ)  
1957年生まれ。東京大学社会情報研究所教授。専攻は社会学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)