ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし
青弓社ライブラリー 36
出版社名 | 青弓社 |
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出版年月 | 2005年4月 |
ISBNコード |
978-4-7872-3242-7
(4-7872-3242-8) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 250P 19cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
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近現代の歴史の間に消えた一衣服の物語
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おすすめ度
- 神奈川大学生協書籍部 (神奈川県横浜市神奈川区)
以前に拙レビューで取り上げたパンツ本(ISBN:978-4-02-259800-4を参照されたい。)
に続いて今回はブルマー本である。書棚で見かけた時は単なる好奇心、興味本位で
レジに運んでいった一冊だが、拙レビュー担当の陳腐な購入同期とはまったく裏腹に、
あくまでも学術的な観点から、極めて冷静にブルマーという衣服の出自から、それが
いかにして日本に進出し、そして消えて行ったのか、その背景にあった物とは何かを
5名の共著によって考察する内容となっている。
ブルマーと聞いて何を想像するか、あるいはそれをどう捉えるかは、恐らく当人の
性別であったり、または年齢層によって大きく異なる所だろう。しかし本書を読んで
見えてくるのは、我々が一般的に捉え、または考えうる以上に重要かつ壮大な、
「女性」というテーマである。女性の解放を求めて考え出されたはずのブルマーは
何故、当の女性たちの運動によって日本社会から消えて行ったのか、その物語に迫る。
きわめて真面目な内容となっており、ともすれば社会学特有の用語や概念に悩まされる
事もあるだろうが、前掲パンツ本に続く「(2014年3月29日)
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おすすめ度
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商品内容
要旨 |
男性教員や男子生徒の視線が存在する公的な空間で、女子生徒の脚部の付け根まで露出を強制していたブルマー。女性解放運動に出自をもつブルマーがたどった、明治期の輸入から戦後までの社会的・歴史的な変遷を読み解き、社会学・歴史学の視角から「脱女性化というジレンマ」「女子身体イメージの変容」「性の解放と抑圧のパラドックス」という女性の身体性をめぐる葛藤と闘争の物語を紡ぎ出す。そして、欲望のまなざしにさらされた結果、性的身体化=商品化することで消滅した過程を丹念に明らかにして、ジェンダー規範や行動様式にまで影響を与えたブルマーを通して、セクシュアリティの歴史的変容に迫る。 |
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目次 |
第1章 ブルマー登場以前―衣服と脚の関係から(着物と活動性 |