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多文化共生の実験室 大阪から考える

出版社名 青弓社
出版年月 2022年3月
ISBNコード 978-4-7872-3504-6
4-7872-3504-4
税込価格 2,200円
頁数・縦 298P 21cm

商品内容

要旨

大阪で民族的マイノリティを支える教育や制度、その担い手に光を当て、「反差別」や「人権」という対抗的な理念に基づき共生を目指す実践としてそれらを再評価する。歴史的にマイノリティ集住地域である大阪の先駆的な取り組みから、全国で進められる多文化共生の動きを批判的に検証する視点を浮き彫りにする。

目次

第1部 教育の実践(大阪の多文化共生教育―公立学校の外国人教育研究組織に着目して
共に生きる「仲間」を目指して―大阪府豊中市の「進路保障」を事例に
紐帯はどのようにして育まれたか―大阪市中央区での多文化家族支援の実践から
教育分野での人権運動・政策の変化―多文化共生をめぐる歴史的・社会的背景)
第2部 実践の担い手(多文化共生を牽引する在日コリアンの教育実践運動の役割―いま生かされつつある「民族学級」というアイデア
無条件の生の肯定
アクティビストの不正義感覚と運動ネットワーク)
第3部 理念/規範的考察(公正を重視する大阪の公教育理念
承認の観点からみた大阪の民族学級
民主的実践としてのシティズンシップと多文化共生
反ヘイトと多文化共生―大阪市と川崎市の比較を通じて)

出版社・メーカーコメント

近年、行政を中心に「多文化共生」が叫ばれるが、歴史的にマイノリティ集住地域である大阪の多様な実践は、大阪独自のものとして見過ごされてきた。大阪での先駆的な取り組みや歴史ある営みから、今日的な共生のあり方にどのような示唆を得ることができるだろうか。民族教室など母語/母文化を重視するとともに進路保障にも力を入れる公教育、同和教育の実践と蓄積、民族的マイノリティの権利保障を目指す運動、外国人住民への支援、ヘイトスピーチ対策――大阪で民族的マイノリティを支える教育や制度、その担い手に光を当て、「反差別」や「人権」という対抗的な理念に基づき共生を目指す実践としてそれらを再評価する。近年の大阪の諸政策に見る民族的マイノリティへの差別的な側面など、大阪の共生をめぐる現実が抱える問題点も指摘して、「多文化共生の実験室」といえる大阪の様々な営みから、全国レベルで進められる多文化共生を批判的に検証する視点を浮き彫りにする。

著者紹介

〓谷 幸 (タカヤ サチ)  
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専攻は社会学、移民研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)