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「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護

出版社名 草思社
出版年月 2018年7月
ISBNコード 978-4-7942-2342-5
4-7942-2342-0
税込価格 1,980円
頁数・縦 334P 19cm

商品内容

要旨

外来種が在来種より優れている場合がある。「本来の生態系は安定している」というのは幻想。「手つかずの自然」への崇拝は米国で生まれた。地球の自然は、人間が運営・管理すべきだ。「手つかずの自然」なき現代の新しい自然保護を提案する。

目次

第1章 自然を「もとの姿に戻す」ことは可能か
第2章 「手つかずの自然」を崇拝する文化の来歴
第3章 「原始の森」という幻想
第4章 再野生化で自然を増やせ
第5章 温暖化による生物の移動を手伝う
第6章 外来種を好きになる
第7章 外来種の交じった生態系の利点
第8章 生態系の回復か、設計か?
第9章 どこでだって自然保護はできる
第10章 自然保護はこれから何をめざせばいいか

おすすめコメント

地球の自然は人間が運営・管理すべきだ。  自然を「元来の姿」に戻そうとしてきた自然保護活動。外来種を徹底的に駆除、手つかずの自然から人間を遠ざけ、人工物を撤去・・・。しかし著者は、このような価値観がアメリカでつくり出された「カルト」であり、科学的にも、費用対効果からも、現実不可能な幻想であると示す。より人間が積極的に関与する新しい自然保護「多自然ガーデニング」を提案する。   <内容より> ◆「過去の自然」を取り戻すのが無理な理由  ◆「本来の生態系は安定している」という幻想  ◆外来種が在来種より優れている場合がある  ◆北米にライオンや象を導入する再野生化計画  ◆人々が考える「川」は、実は人工物である  ◆温暖化に応じて植物の移住を助ける人々  ◆「教義」から自由になり始めた生態学者たち

著者紹介

マリス,エマ (マリス,エマ)   Marris,Emma
サイエンスライター。自然、人々、食べ物、言語、書籍、映画などについて執筆。数年間記者として勤務していたネイチャー誌のほか、ナショナルジオグラフィック、ニューヨークタイムス、ワイヤード、グリスト、スレート、オンアースなどの雑誌・新聞に寄稿している。ワシントン州シアトル出身、オレゴン州クラマスフォールズ在住
岸 由二 (キシ ユウジ)  
慶應義塾大学名誉教授。生態学専攻。NPO法人代表として、鶴見川流域や神奈川県三浦市小網代の谷で“流域思考”の都市再生・環境保全を推進。国土交通省河川分科会、鶴見川流域水委員会委員
小宮 繁 (コミヤ シゲル)  
慶應義塾大学理工学部講師。慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学(英米文学専攻)。専門は20世紀イギリス文学。1989〜91年、ケンブリッジ大学訪問講師。2012年3月より、慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて、雑木林再生・水循環回復に取り組む非営利団体、日吉丸の会の代表をつとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)