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公共貨幣入門

インターナショナル新書 086

出版社名 集英社インターナショナル
出版年月 2021年10月
ISBNコード 978-4-7976-8086-7
4-7976-8086-5
税込価格 1,034円
頁数・縦 294P 18cm

商品内容

要旨

日本の「失われた三〇年」は主流派経済学の処方箋を素直に実施した結果である。新古典派経済学による構造改革は低賃金の非正規労働者を増やし、ケインズ経済学による財政・金融およびリフレ政策は一〇〇〇兆円を超える借金地獄をつくった。原因は貨幣システムの欠陥にある。主流派経済学やMMTの誤りを指摘し、現在の「債務貨幣」にかわる新たな貨幣システム「公共貨幣」を提唱。「公共貨幣」を取り戻せば「ゼロ成長」から脱却でき、新しい未来が開けることを論証する。

目次

第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」(あなたのお金は誰かの借金
銀行貸出と預金創造 ほか)
第2章 主流派経済学の破綻(市場原理主義の新古典派経済学
外生的債務貨幣を想定するケインズ経済学 ほか)
第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽(貨幣理論を分類すれば4つしかない
MMTは虚偽の貨幣論 ほか)
第4章 公共貨幣システムへの移行(システムの移行目標
移行の7プロセス ほか)
第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ(公共貨幣への移行:2つの登山道
新国生みイニシアティブの5大プログラム ほか)

出版社・メーカーコメント

誰も教えてくれなかったお金の秘密。暗号資産が世界を変える。公共貨幣とは、議会や政府等の公的機関が無利子で発行する貨幣のこと(産業革命がおこるまで、つまり資本主義制度の転換まで、世界は公共貨幣だった)。これに対して、現在の貨幣システムは債務貨幣で、誰かが借金したときに民間銀行が利子付きで生み出す貨幣のこと。この隠された貨幣システムの謎を、独自の経済モデル分析で解き明かし、新たな貨幣システム「公共貨幣」を提唱したのが本書。その実現をめざして、暗号資産(電子公共貨幣=EPM)による具体的なシステム移行などにも言及する。「公共貨幣」を取り戻せば「ゼロ成長」から脱却でき、新しい未来が開けることを論証する。【本文より抜粋】1882年の日本銀行設立と紙幣整理が行われてから2021年現在に至るまでの140年間、日本の経済社会は債務貨幣システムに取って代わられた(国盗り)。その結果、今や公共貨幣は吹けば飛ぶような0.3%にまで縮小してしまい、利息付きの債務貨幣が99.7%と横行している。もちろん、この債務貨幣システムが十分に機能していれば何も問題はない。しかしながら、この債務貨幣システムは重大なデザイン欠陥を内包している。その結果、私たちは明治以来、金融恐慌、不況、失業、戦争、インフレ・デフレ、所得格差等々、債務貨幣システムのデザイン欠陥に起因する数多くの経済的・社会的危機に見舞われてきた。また、最近では私たちの政府が借金地獄に陥り、破局への道を歩んでいる。【目次より抜粋】はじめに貨幣の定義あり第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」第2章 主流派経済学の破綻第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽第4章 公共貨幣システムへの移行第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ

著者紹介

山口 薫 (ヤマグチ カオル)  
国立アンカラ社会科学大学(トルコ)大学院教授、公共貨幣フォーラム代表理事。兵庫県生まれ。カリフォルニア大学バークレー校経済学博士号(1985年)。カリフォルニア州立大学、サンフランシスコ大学、ハワイ大学、同志社大学大学院ビジネス研究科等で教鞭をとる
山口 陽恵 (ヤマグチ ヨウケイ)  
日本未来研究センター研究員(システムダイナミックスグループ)、公共貨幣フォーラム理事。愛知県生まれ。EUのエラスムス・ムンドゥス修士号(EMSD 2017年)。フィンテック企業・ソラミツ(貨幣・経済システム研究所所長)を経て、現在は日本未来研究センターでASDマクロ経済モデル開発に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)