• 本

モンゴル襲来と神国日本 「神風伝説」誕生の謎を解く

歴史新書y 004

出版社名 洋泉社
出版年月 2010年6月
ISBNコード 978-4-86248-583-0
4-86248-583-9
税込価格 946円
頁数・縦 222P 18cm

商品内容

要旨

敗北が決定的といわれた2度にわたるモンゴル襲来は、暴風雨と台風によって敵軍は壊滅し、「国難」を救った。その後、日本は「神国」だからこそ「神風」が吹いたという伝説が生成した。遠征軍は確かに暴風雨と台風により大被害を受けたが、日本軍が戦争に勝利したわけではなかった。一時的に幕府北条氏や「調伏祈祷」した寺社勢力が「神風伝説」を喧伝して力を持つが、皮肉なことに鎌倉幕府の崩壊を早める原因にもなった。

目次

プロローグ 七〇〇年以上たっても史実は不明!?
第1部 一二七四年、モンゴル・高麗軍の襲来―文永の戦い(なぜ大船団は一夜に消え去ったのか?
モンゴル襲来の歴史的な背景
熾烈を極めた博多湾岸の戦闘
徹底攻撃を主張―高麗軍大将・金方慶の苦悩
作戦会議で何があったのか―モンゴル軍最高司令官の決断
朝鮮半島沿岸で遭遇した暴風雨?
作られた「神風伝説」)
第2部 一二八一年、モンゴル・高麗・旧南宋軍の壊滅―弘安の戦い(フビライの野望と日本軍の幻の「異国征伐計画」
日本への再征開始と東路軍
東路軍、日本に進撃す!
東路軍が上陸、志賀島で戦闘開始
江南軍の到着と大艦隊を襲う台風
なぜ大遠征軍は壊滅したのか?)
第3部 「異国調伏」と「神風伝説」の誕生(「国難」を叫ぶ朝廷・幕府・武士
「神風」と亀山上皇vs後嵯峨天皇の闘い
「神風」と執権北条氏の目論見
御家人たち武士は何のために戦ったのか?
「神国思想」の正体と北野天満宮の横暴)
エピローグ 「神風」を否定した日本僧と、その後のモンゴル

著者紹介

三池 純正 (ミイケ ヨシマサ)  
1951年福岡県生まれ。工学院大学工学部卒業。歴史研究家。戦国期をはじめ歴史の現場を精力的に踏査し、現場からの視点で歴史の定説を見直す作業に没頭している。主な論文に「海津域について」(第19回郷土史研究奨励賞を受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)