改憲的護憲論
集英社新書 0914
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2017年12月 |
ISBNコード |
978-4-08-721014-9
(4-08-721014-6) |
税込価格 | 814円 |
頁数・縦 | 222P 18cm |
商品内容
要旨 |
二〇一七年一〇月の衆議院選挙で争点となった改憲。しかし政権与党が提示する、憲法九条に自衛隊を付記する加憲案をめぐって、国民、メディアの間で、その狙いや問題点に関する議論はどれほど深まっただろうか。自衛隊を付記しようという加憲案と付記を許さない護憲派。護憲派が従来の立場からどんなに批判を展開しても、改憲派と護憲派の争いの焦点が、自衛隊を認めるかどうかにあると国民の目に映るとすれば、圧倒的多数が自衛隊に共感を持っている今、護憲派は見放されるのではないか。だとしたら、護憲派はどんな論点を提示できるのか―。著者が深い危機感からたどりついた「改憲的護憲論」を世に問う一冊。 |
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目次 |
第1章 護憲派とはどういう人のことか(非武装の改憲派、専守防衛の護憲派の登場 |
出版社・メーカーコメント
◆推薦◆ 「あるがままの9条が大切、 そして災害救援と専守防衛の自衛隊をリスペクト。 そんな国民合意が、すでに広く深く根付いている。これが、憲法とともに歩んだ私たちの70年目の到達点だとしたら、それはまた、「9条のもとの自衛隊」はどうあるべきかを、腹をくくって追求する出発点であるはずだ。9条に自衛隊を付記するという安倍改憲パフォーマンスの出る幕はない」 池田香代子(ドイツ文学翻訳家/九条の会・世話人) ◆内容◆ 1946年、 吉田茂は自衛権を否定し、 日本共産党は肯定し、その後も一度も否定していなかった−−。 憲法論議の「思い込み」を解きほぐす! 2017年10月の衆議院選挙で争点となった改憲。しかし政権与党が提示する、憲法9条に自衛隊を明記する加憲案をめぐって、国民、メディアの間で、その狙いや問題点に関する議論はどれほど深まっただろうか。 自衛隊を明記しようという加憲案と明記を許さないという護憲派。護憲派が従来の立場からどんなに批判を展開しても、改憲派と護憲派の争いの焦点は、自衛隊を認めるかどうかにあると国民の目に映るとすれば、圧倒的多数が自衛隊に共感を持っている現状において、護憲派は見放されるのではないか。だとしたら、護憲派はどんな論点を提示できるのか――。著者が深い危機感からたどりついた「改憲的護憲論」を世に問う一冊。
内容抜粋
◆目次◆ 第一章 護憲派とはどういう人のことか 1 非武装の改憲派、専守防衛の護憲派の登場 2 専守防衛か非武装中立かの対立は見せかけ 3 九条に加憲する案とどう向き合うのか 第二章 「戦争」と「平和」は対義語なのか 1 侵略戦争と同じ数だけの自衛戦争がある 2 戦争と平和は通じ合っている 3 戦後の世界で、戦争は減少する傾向にある 第三章 共産党は憲法・防衛論の矛盾を克服できるか 1 「中立自衛」政策のもとでの矛盾と葛藤 2 憲法九条を将来にわたって堅持する時代の矛盾 3 どうやったら矛盾を乗り越えられるか 終 章 護憲による矛盾は護憲派が引き受ける 補 論 自衛隊の意見・合憲論を乗り越える 1 名古屋高裁イラク判決の意味を探る 2 長沼訴訟違憲判決の論理構造 3 国民の生命を守るのは憲法違反か ◆著者略歴◆ 松竹 伸幸(まつたけ のぶゆき) 1955年長崎県生まれ。 ジャーナリスト・編集者、日本平和学会会員、自衛隊を活かす会(代表・柳澤協二)事務局長。専門は外交・安全保障。一橋大学社会学部卒業。『9条が世界を変える』『「日本会議」史観の乗り越え方。』(かもがわ出版)、『反戦の世界史』『「基地国家・日本」の形成と展開』(新日本出版社)、『憲法九条の軍事戦略』『集団的自衛権の深層』『対米従属の謎』(平凡社新書)など著作多数。